ここ数年来、僕が一方的にお世話になっている違う専門分野の親しいドクターと定期的に飲みに、或いは食事に行くことになっています。幹事はお互い交互に勤め、今回は彼のお薦めの焼肉屋さんへ出向くことになりました。どうやらこだわりの店らしい、肉は落としたものを直ちに出すのではなく、充分に熟成させてから供されると云うもの、そう云えば仙台でご馳走になった牛舌も充分に熟成され、今まで味わったことのない味でした。お肉はタンパク質が自然に分解してアミノ酸になると美味しい? そう、分子量の大きい順にタンパク質、ポリペプチド、アミノ酸と呼ばれます。
そして我がクリニックの受付嬢達、やはり若いだけあってお肉を目一杯食べたいとのこと、まぁ熟成した拘りの肉を出す店よりは、エンターテイメント性を求めることにしました。ビルの53階にある夜景が綺麗な店、かつて製薬メーカーの接待で連れて行ってもらった(現在は製薬メーカーが医師に対して飲食の接待するをすることは協定で禁止されています)店、2店舗とも予約をして出向きました。
親しいドクターとの会食でした。こだわりの店? 確かにお肉の味はかなり複雑、如何にも一手間、二手間もかけて熟成させたと云う感じが伝わってきます。しかもカルビやロースではない、それぞれ部位別に独特の名前がついたお肉、これまたこだわりのお酒と一緒にいただいて来ました。
クリニックの受付嬢達との食事会、かなり余裕を持って早い時期に予約したのに個室は残り1つ? 相変わらず人気の店です。しかも8時には次のお客さんのために出て行ってくれ? 結局某土曜日、午後5時半に現地集合で出掛けました。もう午後6時には満席、予約なしのお客さんは断る状態でした。
いいよ、遠慮しないで目一杯食べて♪ この店のメニューに書いてある値段はそこそこ高い、しかし一人前の量が結構多い、だからだいぶ割安感があります。ひとまず最初に一通り頼んで、あとで足りなければ好きなものを追加注文する予定が、結局最初の注文でほぼ終了、苦しいくらい食べました。歩くのも結構辛い……。
どう? もう未練ないくらい食べた? 全員充分に堪能してくれたようです。それとみんな初体験のマッコリ、2種類あったけれど気に入ってくれたみたい。お会計を……、??? 覚悟した予算の6掛けで済んでしまいました。でも結構食べたよね? この後、徒歩圏内のホテルのバーへ、ここは都内随一のシングルモルトの取り揃えなのです。
そして今度は外来担当のスタッフ、「ワインを飲みたい。」と云う注文に対して、僕も3年ぶりに行くイタリアンレストランをチョイスしました。ここは僕の悪友の顔が利く店、彼を通じて窓際の席を取ってもらうことにしました。「外から丸見えだぜ?」と云う彼の忠告に、「いいよ、目一杯楽しく食事しているところを見せびらかすから。」と返事。しかし予想外の展開に。君ってそんなに飲むの? 酔っ払うとそうなるんだ? もう勤務もそこそこ永くなるスタッフの新たな一面を見る思いでした。総勢5名のうち一人は飲まないから結局4人でシャンパンのハーフボトル1本、ワインは何と5本空けてしまいました。唖然……、しかし相変わらずこの店は美味しい、これまた混む店、我々が入店して30分もしないうちにもう満席でした。
こんな席をお願いしておきました。以前来たのは確か3年前のクリスマス近く、窓のデコレーション・ランプが最高の雰囲気でした。6時入店でもうあと数席しか空いていない、もうやがて満席、予約なしのお客さんは断ることに。ワインは赤、白1本ずつ取ろう(この時点で僕は大サービスのつもり、それががとんでもない結果に)、そして料理は僕に任せて♪ この店は美味しいよ♪♪
まず白はシャブリはで行こう♪ 赤は……、と思ったら赤ワインは前述の悪友からの差し入れでもう決まっているとのこと、アチャ〜、申し訳ありません。正直なところ、僕自身はあまりワインは得意ではない、結構悪酔いすることもあるから。もっぱらウィスキーが好きなんだけれど。ひとまず乾杯と行こう! シャンパンのハーフボトルをオーダー。ご苦労様、カンパ〜イ!!
まずこれは外せないね? タラモサラダ、パンに受けて食べるんだよ、そうそうバターをもらわなければ。でもあまりパンを食べ過ぎると後の料理が入らなくなるから気を付けてね。タラモサラダは生クリームがたくさん入っているほど美味しくなるんだよ。それとカルパッチョ、今日はホウボウのカルパッチョだって。ホウボウって高級魚なんだけれどね。
それにこの店お薦めのガーリック・トースト。パンばかりになっちゃうね。気を付けてね、食べ過ぎないように。そう云えば、イタリアに行ってからもう1年が経つんだな? 向こうではパスタとピザしか食べなかったけれど、本当はこんな料理が食べたかったんだけどね。一人じゃなかなかこんな店は行けないね。しかも知っている店はなかったし。
更に前菜の盛り合わせ、スモークサーモン、キッシュ、ローストポーク、合鴨のパテ、レンズ豆。ちょっと前菜取り過ぎたかな? その間にもワインはドンドン進みます。肉料理が来ないうちに赤ワインはもう空いちゃったね? パンが結構な勢いでなくなっていくのが気になりました。払う側としてその方が安上がりで助かるんだけれど…….。
これ、この店の僕の一番のお薦め、ツブ貝とキノコのガーリックソテー、エスカルゴみたいな感じでものすごく美味しいよ。それとこの下に溜まったガーリックオイルをパンにバターをつけてすくって食べると最高に美味しいんだけれど。エッ? またパンのおかわり? 前菜とパンだけでお腹一杯になっちゃうよ。未だメインディッシュは頼んでいないのだから。
そして生ハム入りシーザースサラダ、各自カップ入りのミネストローネスープを取りました。フィレンツェで食べた生ハムはなかなか肉厚で美味しかったよ。でもあのときのワインは結構強かったな? ミネストローネスープのカップはかなり小ぶり、一気に飲み終わってしまいます。サラダも二皿頼みましたけどすぐになくなりました。
エ〜ッ!? もうワインがない? 既にシャンパンのハーフボトル、悪友の差し入れの赤ワイン、シャブリとシャルドネのボトルが空いてしまいました。もう僕はワインの知識がないから判らないよ、お店の人に勧めてもらいました。このワインは甘口でずいぶん軽いね? スッと入っちゃうね。そんなに飲んで大丈夫? こういうワインは後から足に来るよ、連れて帰れなくなるよ。
さて、パスタを頼みます。ペンネのゴルゴンゾーラとお店の本日のお薦め、春キャベツとチキンのスパゲティ、それぞれ2人前を一皿に盛ってもらいました。パスタはともに美味しい、だけどここで一抹の不安が。未だメインディッシュを頼んでいないのだけれど、結構そこそこお腹が一杯になってきました。やはりパンを食べ過ぎた? だいぶ酔ってきたし。
しかし、さっきの甘口の軽いワインはアッという間になくなってしまいました。どうするぅ? もうボトルで4本空けているんだよ? 確かに今日はワインが目的で来たんだけれどね? じゃぁ最後の1本にする? シャルドネの違うのがあるそうだからそれにしようか? かくして本日5本目のワインが開くことになります。まぁ、明日は仕事じゃないけれどね?
結局みんなだいぶ満腹になってきたのだけれど、どうしようか? でもやはりメインディッシュなしとは行かないよね? じゃぁ、肉料理と魚料理を1人前ずつ頼んで、それをみんなでシェアしようよ。こちらは鴨のロースト、少し甘みの利いたソースでいただきます。ソースをパンに付けて食べたいけれど、さすがにパンを頼む気にはならないね?
これは魚料理、真鯛をカリカリにソテーしたもの。でもだいぶ酔ってきました、それが証拠に写真がだいぶピンボケだものなぁ? 僕は鴨一切れ、真鯛を一切れ食べただけです。もったいないからみんなで片付けて。どう考えても前菜の取り過ぎとパンの食べ過ぎが原因だね。でも目的だったワインはもう充分堪能しただろう? 明日残らないかなぁ? 心配です。
今日空けたワインボトルの数々、でもみんな美味しかったよね? 結構気楽にスッと入ってしまうワインが多かったようです。あまりズッシリ来るのはなかった。みんなだいぶ良い気分のようです。「先生、Hugして♥」 おいおい、大丈夫かい? いろいろと話も出来ました。今後のクリニックの課題も見えてきたように思います。たまにはこんな会を持たないとね。
さて、〆と酔い覚ましのためにデザートを。みんなでシェアするためにそれぞれ違うものを各自オーダー。デザートは別腹? 今日に限ってそれは通用しないみたい。お店のスタッフが詳しい説明をしながらデザートを紹介してくれます。これは僕が頼んだティラミス、果糖はアルコールの醒めを促進してくれます。大学の実習で酒を飲むなんて医学部くらいだよね?
この上何とお店のスタッフの勧めで食後酒をグラス1杯だけもらうことになりました。グラッパってイタリアの食後酒があるけれど、あれは結構強いよね? もらった酒もかなり強いものでした。約1名、舌を出しで「カ〜ッ!」とか云っていました。アブサンに近い酒? 火を付けたら燃えそうでした。でもよく食べたし、よく飲んだね。満腹です。店のスタッフも空いたボトルの本数を見て唖然…。
会計は、またオーナーが何か気遣いしてくれたのではないか? と思うくらいの値段でした。ずいぶん覚悟したんだけれど。この後、何と歩いて行ける僕の行きつけのBarに寄って更に飲むことになりました。このレストランに午後6時に入店して、そのBarを出たのが何と午前1時! でも心ゆくまで飲んで食べて話が出来たよね? たまには良いね♪