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ご苦労様メニュー4

  •  今年の市の成人検診は介護保険の予測をするために我々の仕事がだいぶ増えました。詳しい問診をしなければならないため、わざわざ診療を補助してもらう人も新たにお願いしてスタッフを増員して当たりました。そして受付スタッフもナース逹もかなり仕事が増え、結構疲れているよう、何よりも僕自身がもうヘトヘトなんです。「ねぇ......、ちょっと疲れちゃったよね。少し美味しいものでも食べてエネルギーを補給しようよ。」 そんな僕の提案にみんな乗ってきました。何が食べたい? 居酒屋? いいよ、少し奮発するから遠慮するなよ、じゃあ僕に任せるかい? これまた二つ返事で話が進み、結局以前僕がチラッと雑誌で見かけた青山のイタリアンレストランを推薦しました。またAmexに連絡して席をリザーブしてもらいました。

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直通エレベーターで屋上までノンストップで上がります。診療が終わってブッ飛んで行って到着は午後8時、ディナーとしてはやや遅い時刻ではありましたが、まだまだこれから入店するお客さんもたくさん。でも比較的若い人が多いよう、我々のような大人数のグループは殆どいません、カップルばっか。

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写真で見た屋上のプールサイドを歩いて向こうのペントハウスのスペースへ。酔っぱらうとプールに落ちちゃうかも......。でも水がたくさんあると涼しげです。屋上で風が吹いているかと思ったのですが、この日は無風状態、台風だったら困るね。良い雰囲気に期待が更に膨らんできます。

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大人数なので窓際は無理と初めから聞いていました。まぁそれはしょうがないでしょう。最後デザートの時にプールサイドに出させてもらうようお願いしてありますから。この窓は南側、つまり六本木方面を眺めているところです。高く見えるあのビルは六本木ヒルズ。椅子やテーブル、照明もなかなか良い雰囲気です。

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窓際まで行ってみました。六本木ヒルズに行ったのは1回だけ、でもあそこもいろいろ探すと美味しそうな店がたくさんありそうです。車仲間で六本木ヒルズに住んでいる人も結構います。しかし! もうじき旧防衛庁跡地にもっとすごいビルが出来ます。ハイアットVSリッツ・カールトン? 一流同士の一騎打ち! 楽しみです。

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僕らの座った席を立って後ろを振り向くと先ほどのプールが。この日は金曜日、予約は1週間前にしましたが、それでも若干の空席はありそう。でも非常に人気のあるレストランで、なかなか予約が取れないと聞きました。もう開店して8年になるのだそうです。僕は最近知ったばかり。そう、最近はあまりレストラン探訪はしなくなりました。

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僕の診療所スタッフの中では院長と同じペースで飲める女性は二人だけ。後は飲むのはビールだけ? 殆ど飲めない? 医者から未だお酒が許可になっていない? まぁ人それぞれだから無理にとは云わないけれど、最初だけみんなで乾杯しようよ。店お薦めのシャンパンをボトルでオーダー。クーラーに入れて冷やしています。

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お疲れさま!! そうだよね、少し疲れちゃったよね.....。でもみんな頑張ってくれたから、今年の成人検診も過去一番早いペースで来ているよ。今は丁度折り返し地点、来週は1週間夏休みだけど、その後はラッシュ、あと1ヶ月後には電子カルテも動き始めるし、これから更にいろいろと大変だけれどみんなよろしくね、乾杯~!!!

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さて今日は少し贅沢なコースをオーダーしてあります。前菜はワゴンで見せてもらい、その中から好きなものを3種類選ぶと云うもの。実は予約の際、6人と大人数なので店側に任せてくれないか? と云われました。僕はそれでも良いけれど可愛いスタッフ達には選ぶ楽しみを味わわせたい、だから強引に頼みました。

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まずはAmuseが数点、これは何やらクランベリーのリキュールにクリームのようなものが入ったもの。一口で入ってしまいます。しかしこのグラスの脚が妙にひん曲がっていてちょっとお洒落。そんな食器を見るのも大きな楽しみの一つ、だいぶお腹が空いてきました。

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今度は生ハム、これをメロンではなくメロンのシャーベットに載せて供されます。僕はメロンだとちょっと食べられないのですが、シャーベットなら何とか。生ハムはかなり塩気が強く、また普通のものより若干みずみずしく美味しかったです。これも一口で入ってしまいます。

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そしてみんなが喜んでくれたタルトの上にキャビアを載せた一品、これも一口に行ってしまいます。キャビアの塩味は何ともふくよか、ベルーガではありませんでしたが、充分美味しくいただきました。そう云えば昔時々行った東京タワー下のボルガと云うロシア料理の店はなくなってしまいました。素敵な店だったのに、がっかり。

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乾杯したシャンパンが空になったところでそれぞれ新たにドリンクをオーダー、やっぱりビール? ソフトドリンク? 白ワインと云う声があったので院長の好きな白ワインをボトルでオーダー。あまりワインは詳しくはないのですが。そう御苦労さまメニュー3では親しいドクターとこのボトルを2本開けてしまいました。

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さて先ほどセレクトしたアペタイザーがそれぞれオーダー通り整いました。僕は左から軟骨のツブツブ入りのつくね串、フォアグラ、そして一番右はエスカルゴのマリネ風、それぞれみんなどれが良いかずいぶん悩んでいたようです。でもその悩むのが楽しいはず、それを取りあげられちゃぁねぇ......。

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隣の彼女は生ハムとオマール海老、そして一品は僕と同じエスカルゴ。「ひとつだけ僕と気が合ったね。」 と云うことは殆ど気が合わないってことか? またその下の大きなガラスのお皿が何ともお洒落ですね。生ハムはボリュームたっぷりで美味しそう。真ん中はオマール海老。

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どんどんメニューは進みます。12種類の野菜を使った暖かいパスタ、さっぱり味です。実は今日の僕の昼食もパスタでした。ブロッコリーはあまり好きではないのですが、こんな場面なら抵抗なく口の中に入っていきます。パスタの量は少な目でもうちょっと欲しいなぁ と思うところが良い加減?

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イタリアンにも蒸すと云う料理方法があるのでしょうか? グリルやソテーではありません。さっぱりと蒸したような鯛に少し濃厚なスープがつきます。上に乗っかっているのはムール貝。いつか本場の新鮮なムール貝を海辺で食べるのが夢です。この鯛、さっぱりしています。またスープが美味しい!!

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何と2品目の魚、オマール海老のグリル。濃紺のお皿にオマール海老の赤い身体が鮮やかです。品数はずいぶん多いみたい。しかし一品の量がそれほど多くはないので結構簡単に入ってしまいます。この料理は食べられるところはほんのわずか、さすがに脚までは食べませんでした。

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本日のメインディッシュのお肉は2種類から選ぶもの。僕はイベリコ豚のグリルをオーダーしました。この豚肉は話ではよく聞いていましたが、実際に食べるのは初めて。普通の豚とは全然似つかない味です。目隠しして食べさせられたら何の肉だかわからないような味、食感。

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もう一品はヒレステーキのフォアグラ載せ。濃厚なソースがつきます。僕も隣の彼女のを少し味見させてもらいました。フォアグラは先ほどの前菜の中にありましたが、さすがにこれだけ品数が多いと素材はダブってしまうものが出てきてもしょうがないでしょう。ソースをフォカッチャにつけて食べたら美味しそう。

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最後のお口直し? スイカのシャーベットに唐辛子がかかっている? 何だよ、それ? スイカと聞いて隣の彼女にあげてしまいました。お皿によってはメチャ辛いと云う人もいました。まぁ良く訳が判らないけれど僕は良いよ、スイカと云うだけでGive up。スイカとメロン、そして蟹を僕は食べません。あとは何でも食べます。

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さて我がスタッフにとって本日のメインイベント、デザートタイムです。メニューにはデザートは気の済むまで と書いてありました。彼女達にとっては相当魅力あるフレーズだったようです。ワゴンにてお店のスタッフが一つ一つ説明をします。もう黄色い声でああでもない、こうでもない、大騒ぎです。

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僕の進言にて全てのデザートをサーブしてもらい、みんなでシェアと云うことにしました。でも正直なところ量は少ない。はっきり言って、「気の済むまで」と云うには看板に偽りありと云わざるを得ません。少なくとも当院のスタッフ達がこれを全部たいらげても気が済まないと思うのですが。

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僕は自分で一品だけ好きなものをオーダーしました。まぁそんなにデザートに期待していたわけではありませんから。でも料理は美味しかったです。みんなも満足してくれたはず。

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予約した席には僕の名前が記されていました。この裏側には「本日はご来店ありがとうございます。皆様で楽しいひとときをお過ごし下さい。」とあり、日付が入っていました。

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デザートは外のプールサイドで と頼んであったのですが、何も尋ねられることなく結局室内でドンドン進行してしまいました。たまたま通りかかったウェイトレスさんに「お願いしてあったのだけれど.....、」と話すと瞬時にそれは無理だと云うような態度でした。もし僕が一人か女房連れくらいだったら或いはそのまま引っ込んだかも知れません。

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しかし!! 今日は一生懸命やってくれているスタッフ達を慰労する場です。それも如何にもそのウェイトレスが面倒くさそうに応対したのにはちょっとムッと来ました。「イヤ、それじゃ約束が違うから! ちゃんと約束を果たしてくれ!!」少しきつい言葉になりましたがそう云いました。そのウェイトレスの顔色が瞬時に変ったのを僕は見逃しません。

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結局僕の希望は無理矢理叶えてもらいました。だってプールサイドの席は空いているのです。しかもプールサイドにお客さんがいるのです。確かに新たにテーブルを動かしたり、6人分のコーヒーを違う席に運ぶのは面倒かも知れない、でもせっかく良いロケーション、最高の料理、最後の彼女の応対が残念です。たったスタッフ一人の態度で今日は興ざめです。本当にもったいない、デザート直前まで僕らのテーブルについていたウェイターは最高の人だったのに。

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ムッとしている僕に我がスタッフ達は気がついたかどうか? 今まで良かっただけに残念です。それとデザートの看板の偽り。感動のレストランと異なり、もう一度この店に来るかどうか? 料理が美味しかっただけにちょっと微妙です。しばらく時間が経ってからスタッフ達にそこまで問うてみようと思います。また正にそれが我々の医療サービスに繋がる可能性も。接客業、難しいです。ふと上を見るとお月様が。