実は今は市の特定検診が始まり、そこそこ外来が混むところ、クリニックを一日でも閉めるのは辛いところです。しかしやむを得ない……、ここのところ学術講演会も続き、外来もそこそこ忙しく、体力的に不安がないでもなかったのです。しかし、自分の身体に鞭打って出掛けてきました。一ヶ月前にJALで徳島往復便を取ったけれど結構混んでいるようでした。恐らくは学会参加医師ばかり? 四国……、恐らく小学校3年の時に祖母の組合の旅行に引っ付いて行ったきり? 北海道や九州はそれぞれ何回か行っているけど四国は生涯二度目、取りあえず参加費を払ってクレジットを取得してくればそれで良し、消化器外科領域では演題発表は腹腔鏡手術のことばかりだろう? せめて何か旨いものでも食べて来よう、そんなスタンスで出掛けました。
朝は午前5時半起き、家からJR、東京モノレールで羽田を目指すつもりでしたが、女房に駅まで車で送ってもらったところ、偶然羽田行きのリムジンバスがいました。それに飛び乗りました。電車を何回も乗り継ぐよりは遥かに楽そう。わずか1時間ちょっとで羽田空港に到着、リムジンバスのおかげで当初の予定よりもだいぶ早く着きました。
家では朝食は食べず、起きてすぐ家を出ました。羽田空港に着いてから何か美味しいものを探すつもりでした。でも朝の7時過ぎでは空港内のお店はあまりやっていません。いろいろ探しまわった挙げ句、羽田空港内のカフェでモーニングセットを食べることにしました。時間はまだまだ余裕がありますが、ちょっとがっかり……。
国際線のチェックインはもう慣れたもの、インターネットで全て終了。しかし国内線は随分勝手が違うようです。eチケットはない、飛行機をインターネットで予約した後、また改めてチケットを購入しなければならない、ずいぶん面倒です。友人からこのバーコードを取得するように教示されました。これを使うと便利なようです。
どうやら今日の便にビジネスクラスの設定はないみたい。1,000円だけ余分に払うともう少しレッグスペースの広い席が確保できるようです。その席を取りました。携帯電話で取得したバーコード、確かに便利だけれど、もし携帯のバッテリーが切れたらどうなるのでしょうか? 国際線と同じシステムにすれば良いのに……。
モーニングセットでは少し物足りなかったので、もうちょっと何か食べようかと思いました。重い鞄を持ったまま広い空港ロビーを歩き廻り、ふと見つけたお寿司を食べようかと思いました。朝っぱらから握り鮨? ビールも行っちゃう? 休日ならではの贅沢ではないでしょうか? でも、握り寿司5卷で2,000円!? やめました(><)
どうやらこの飛行機のよう、国際線はだいたい2時間前に空港入りするように推奨されていますが、国内線はもうちょっとゆっくりで良いみたい。未だ搭乗口にほとんど乗客が来ていませんでした。出張に慣れたサラリーマンはもう少し気軽に、バスに乗るような感覚で飛行機を利用するのでしょうか? 僕がほぼ一番乗り?
好きな窓際が取れませんでした。チェックインの時にバーコードをかざして座席を選ぶような仕組みになっていましたが、もう1席しか空いていませんでした。という事は今日の飛行機は満席? 国際線ならばインターネットで座席まで指定できるのに。あるいは事前に何か座席を指定する方法があったのでしょうか? とにかく解らない事ばかり。
飛行時間は1時間10分との触れ込みでしたが、50分で到着しました。今日はそこそこの雨、事前から飛行機が揺れるかもしれないので、トイレはなるべく早めに済ませておくようにとの指示がありました。飛行機は少し揺れましたが、ボラカイの時のような危機感はありませんでした。やっぱりジェット機。到着した空港には学会のポスターが。
到着ロビーに着くと阿波踊りで乗客を迎えてくれます。ボランティアでしょうか? 消化器外科学会の手配? もしかしたら学会の開催者はそこまで気を遣わなくてはならない? ちょっと賑やかな雰囲気。もうちょっと脚を伸ばした方がかっこいいのに。阿波おどり空港と言うのも変わった名前ですね? 昔見よう見まねで踊った事があります。
空港から街まで約30分ほどバスに乗ります。通常の路線バス、目一杯乗客が乗るまで出発しないようです。ついには補助席まで降ろして詰め込む状態、僕が乗り込んでから15分ほど待たされました。ちなみに街まで440円、急ぐ人はタクシーで会場へ直接向かうようです。学会は今日から三日間続きます。僕は今日一日だけで日帰りです!
30分ほどで徳島駅に到着、バスの窓にも日本消化器外科学会総会のステッカーが貼ってありました。恐らくそれほど大きな街ではないはず、市内のホテルは全て満室ではないでしょうか? いつぞや循環器病学会で横浜市内のホテルですら全て満室になるぐらいですから。この小さな街では学会の経済効果はかなり大きいのではないでしょうか?
学会会場は数カ所に分かれます。これは駅前に立てられたのぼり、向こう側が透けて見えます。そして駅前から各会場に学会がチャーターしたシャトルバスが不定期で運行されるようです。移動にはお金がかからない? 勝手の知らない街なのでそんなシャトルバスは大いに助かります。バスから降りたドクター達も迷っているよう。
徳島の駅ビル、僕の街の駅とそれほど規模は変わらないみたい。正直なところ街全体にあまり活気がありません。タクシーがたくさんいますが街を歩く人はそれほど多くはなく、近くの商店街もまさにシャッター街になっていました。時々雨がパラつきます。不精して傘は持ってきませんでした。土砂降りにならなければ良いけれど……。
シャトルバスに乗り込みました。乗客は僕と他のドクター2人だけ、もうしばらく待っているようでしたが、ガイドの女性が「会場で待ってる人がいるからもう行って!」と言ったため、乗客3人だけ乗せて早めにバスが出ました。ラッキー、もしかしたらこのバスも本来満員になるまで動かなかったのではないでしょうか?
バスに乗ってわずか5分あまり、歩いても行けそうな距離ですが会場に到着。恐らくここがメイン会場? 会場の案内図があります。まずは会費の支払い、クレジットカードが使えました。会費は2万円、飛行機代、参加費、スタッフのお土産などを考えると、この学会のクレジットを取るために約10万円の出費です。結構痛い!
せっかくなので少しだけ講演を聞いて行くことにしました。都立K病院の先生の演題発表、腹腔鏡手術が始まって今までの症例の推移を発表されていました。今や腹腔鏡手術で都内でも最先端を走る公立病院、でも腹腔鏡が始まった初年度は年間で7例? そのベテランの先生でさえ当初は心が折れたとおっしゃっていました。
その演題だけ聴いてそこそこのところで出てきました。さて何をしようか? 正直なところ徳島に何があるのか。下調べはほとんどしていません。特に行きたくなるような観光スポットもなさそう、運河の船での移動も考えましたが雨だし、探すのも面倒……。ただ患者さんからお薦めのうどんの店を聞いています。
雨が時々降って、ひどい湿気で、しかもかなり暑い、ジャケットを持ってきましたがずっと手に持っていました。とても羽織る気になりません。一休みのため駅近くの喫茶店に入りました。ここのママさんはなかなか話しやすい、お薦めの食べ物屋さんを尋ねてみました。患者さんのお薦めの店はあまり薦めないみたい……。
喫茶店で教わった店に来ました。百貨店の最上階? さすがに外は暑いので冷たいうどんにしました。天ざるうどん? まぁまぁかな? 徳島のうどんは柔らかいと聞いていましたが、そこそこのコシがあってまぁまぁでした。恐らく海もあるのだから海産物は良いのでは? ランチは終わりましたが、少しもの足りません。
その後、街を歩き廻りました。ずいぶんシャッターの下りた店が多い、不況の波はこんな地方都市ではかなり深刻なようです。一流百貨店の中のブティックを少し見て回りました。かなり品揃えの豊富な腕時計屋さんがあることを知っていましたが、暑くてその店を探す気力がありませんでした。そして患者さんお勧めの店。
先程のうどんだけでは少し歩いたら空腹になってしまいました。この店の釜玉うどんをオーダー、それにコロッケとチーズちくわ、ここはセルフサービスの店? まさに東京の丸亀製麺と同じようなやり方のようです。値段は結構安い、喫茶店では学生向けの店だと聞いていました。これもまぁまぁってところかな?
結局街をふらついて時間を潰しました。駅ビルの地下の土産物店でスタッフへのお土産を買いました。だけどこれだけの荷物を持って飛行機に乗る気には到底ならない、結局配送してもらうことにしました。スタッフからお土産にみかんがいいと言われましたが、大したみかんもないし、重いし、辞めました。
この日の東京は集中豪雨、羽田での離発着が少し麻痺したようでした。空港ロビーに入ってから飛行機遅延のアナウンスが……。その遅延時間がどんどん伸び、結局1時間半遅れることになりました。まぁ後は帰るだけ、今日中に帰れれば良しと考えていましたし、スタッフ曰く、飛ばなくなる事はないとのことでした。
座席は1番前、1のAでした。今回は窓際をとることが出来ました。頭から墜落すればパイロットの次に死ぬな? でもビジネスクラス並の広いレックスペースです、まぁまぁ良かったです。だけど、もしマイレージで羽田徳島間を取るなら15,000マイル、成田マニラ間が2万マイル、ちょっとおかしんじゃない?
1時間半遅れてようやく離陸になりました。また時々雨が強く飛行機が揺れるかもしれないと言うアナウンスがありました。やだなぁ……、またこのシーンで写真を撮ります。逃げるときの滑走路と違い、仕事へ戻るための滑走路、あまり感動はありません。だけど夜景がきれい。
飛行機はさほど揺れることなくまた50分で羽田につきました。とりあえずこれでクレジット取得終了、これからまたいろいろ手続きがありますが、とりあえず認定の更新は出来ることになりました。もう僕もこの年、これ以上は苦労したくないな? 大学病院に勤めていれば高級で学会にも参加できますが、僕のような開業医は自分の診療を犠牲にして出掛けなければなりません。それも辛いところです。