僕は原則、休日には仕事をしないことにしています。10年ほど前から人生あまり走り過ぎない、明日に延ばせることは明日に延ばす と云う人生の方向転換をしてから、極力雑用はウィークデイに済ませ、休日はなるべく机につかないようにしています。しかし、土日でも夜間診療や休日診療の当直は回ってきます。今は公平に順当な輪番が回ってきますが、昔は酷いものでした 更に土曜日の夜に勉強会(都心のホテルで行われることが多い)があったり、検診のまとめや患者さんから頼まれた診断書や紹介状を書かなければならない、或いはカルテの追記をしなければならないなんてことはままあり、どうしても休日に仕事はしないと云うPolicyも往々にして崩れることがあります。しかし今回は未だレセプトのまとめはしなくても良い、ここ数日、頑張って介護保険意見書も全て書き終え、請け負った会社検診10数名の診断結果もまとめて書き終え、猛暑の中、ふとそんな仕事のないカジュアルな週末を迎えることが出来ました。そんな週末についてのレポートです。
土曜日午前中、それほど混まないで済んだ外来を終え、スタッフを追い出し、NHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」の再放送を観てシャワーを浴び、ホッと一息つきました。実は今夜は三師会中国文化研究会の集まり、三師会とは市内の医師会、歯科医師会、薬剤師会のこと、中国文化とは「麻雀」のこと、つまり医師会、歯科医師会、薬剤師会対抗の麻雀大会がありました。これはもちろん仕事の上での同業の集まり、しかし参加不参加は任意なので仕事には当たりません。僕自身は楽しみにしている集まりなのです。
今まで20数回、半年毎に年に2回だけ行われるこの集まりに欠席したのは、海の学校のライフセーバーとして海へ出向いた1回だけ、ほぼ皆勤賞なのです。だいたい20−24名の参加者で5−6卓を雀荘で借り切り、くじ引きによる総当り戦で3半荘、その合計の成績順で最後の半荘は上から並んで決勝として勝敗を決めると云う集まりなのです。僕は過去の最高の成績が2位、どうしても優勝は出来ていません。気負うほどダメなことは分かっていても、今回は狙って行きました。あいにく過去20数回決まった雀荘で開催されていたところ、この不況の折でいつもの雀荘は閉店に追い込まれ、新しい別の雀荘が会場でした。時間通りに会場へ着き、さて結果は……。
僕はトップページに書いたように、いつも配牌は良く自摸が悪い、特に今日の自摸は最悪でした(自摸が悪くてもそれを受け入れられるように形を変えるのが腕だと思いますが、僕はそこまでには達していません)。もちろんこんな勝負の日は左手首にゴールド・ルチルとグリーン・ファントムのブレスレットをしています。1半荘目は自摸に泣いてどうしてもトップをひっくり返すことが出来ず第二位、2半荘目はこれを上がらないと今日一日ダメになるとの判断で暴牌、結局ドベを引きました。これで今日の優勝はなくなった、もう完全諦めモードでした。
3半荘目、諦めモードのまま更に低空飛行を続ける中、ドベに位置しながら運の変わり目はこの大ラスにありました。下家のリーチもかかり、三暗刻を抱えたまま、四暗刻を考えないままどうにでもなれ、「今日はヘタするとブービーメーカーだ。」と思いつつダメ元でかけた追っかけリーチ、そして1発で四萬を自摸りました。リーチ、1発、ツモ、白、三暗刻、赤ドラ2の倍満と思いきや、暗刻の一萬が裏ドラでした。三倍萬、結局申し訳ないことにトップだった仲良しの先生をひっくり返してしまいました。そして4半荘目は楽々トップ、結局本日は20名中4位と云うまぁまぁの成績でした。
ここで思うのは「麻雀」も「人生」も流れと云うこと、一生懸命やって良い成績を残そうと気負っても必ずしも好転しない、逆にもう諦めモードで入ったところ、たまたま運が良くて好転することもあるようです。今夜はある先生から「いつもTak先生にやられちゃっているよ。」と云われてしまいましたが、僕自身は麻雀は好きですが巧いとは思っていません。もちろんやっている時は楽しいものですが、明らかに自分より強いと思う人は今日のメンバーの中にも多々います。しかし自分の思い通りに行かないこと、時にちょっとした運がそこらに転がっていること、正にに人生そのものではないでしょうか? 恒例に従い、戦いの後はいつもの寿司屋さんで和気藹々と飲み会になりました。
その後家に帰ると、今は岐阜県で仕事をしている次男が帰宅、久々に親子の話をしました。仕事は巧く行っている? まぁ今後いろいろなつまづきもあるだろう? 未だ人生の船出を終えたばかり、あまり生きるのに器用ではない息子といろいろと話をする時間が久々に持てました。こんな親子の話はなかなかチャンスがありませんでした。数年前、その次男にクリスマスにプレゼントした赤いG-Shock、上司にチクチクと派手な見た目を責められるそうな。学生時代だったから良かったものの、まぁ父親の派手好きを未だ就職したばかりの新社会人が引き継いだのではいろいろ支障があるだろう、そんなことでやはり派手ではあるけれど黒い時計(パリのシャルル・ドゴール空港で買った二カ国表示のもの)を渡すことにしました。これで次男に腕時計を渡すのは4個目です。まぁ、形見になる高価な時計は父さんが死ぬまで待っていろよ。
さて翌日、日曜日もそれほど寝過ごすことなく起床、犬の散歩、朝食を終えて午前中のうちに出掛けます。実は1週間前に愛車のディアブロを6回目の車検に出しており、今日はそれを取りに行くことになっていました。この車と付き合い始めてまる13年、その車検は今まで全て同じ人に整備してもらっています。彼は独立して、我が家からそこそこ遠いところに工場がありますが、彼に診てもらいたい一心で毎回その工場に持ち込んでいます。未だクラッチは交換しなくて良い、油脂類を全て新しいものに交換し、冷却水も新調、壊れていた右のサイドミラーも彼が気付いて直してくれました。支払の時、しばし彼と話し込みました。お互い人生ではいろいろ苦労しているよう、人それぞれの人生、違った立場でいろいろな悩みがあるようです。今度一度彼と飲みに行こう、そんな話になりました。
さてそこからの帰り、東名高速の横浜インターから乗り、東京インターまで短いドライビングです。今日はかなり暑い、館林では36.6度まで上がったそうな。それでも愛車は機嫌を損ねることなく、ちょっとアクセルを踏み込むと気持ち良い加速をしてくれます。途中港北PAで僕自身の給水のため休憩、結構パーキング内は車で混んでいましたが、6−7台のハーレー軍団、そして別の二人組がヤマハのVMaxとカワサキのZ750の前で佇んでいました。VMax、格好いい……、しかしこの車のマフラーが見慣れたものとちょっと違うので気になりました。「オーナーの方ですか?」 「このマフラーは純正ですか?」とつい見知らぬ人に声を掛けてしまいました。周りをカーボンファイバーで覆われ、やや外側に飛び出たようなマフラー、やはりカスタムしているとのことでした。ハーレーも良いけれど、ほぼ同じ値段でVMaxも良いな? 改めて考えました。ちょうどハーレー軍団が出て行く処、僕も再び車で出て行きました。出口でVMaxのオーナーと目が合いクラクションを鳴らした処、ちょっと驚いた様子、更にフル加速で吹っ飛んでいくハーレーをこちらもその気になって追いかけてみました。ハーレーを追い抜いてからちょっと速度を落としてしばしクルージングしていると、その中のハーレーの1台が左横に並走して、僕と目が合うと親指を立てて合図して来ました。こちらも親指を立てて返事。そして更に東京インターを降りて環八に出て走っていると、左から来た車の女性ドライバー(恐らく30歳くらい?)が微笑みかけて挨拶していきます。更には手を振っていました。もちろん彼女の気があるのは僕ではなくて車の方、それは充分に理解しています。そんなこんなでわずか1時間ほどのドライブがいろいろと楽しいものになりました。この車に乗っているとやはり幸せを感じる、そんなひと時でした。
実は昨日の麻雀大会の後の飲み会で、医師会長に云われたのです。「今度Tak先生の車に乗せてよ。」って。「エッ? 先生、車好きなんですか?」 そうは思っていなかったのですが、会長の仲の良い先生はみんな僕のクルマの助手席に乗ったことがあるそうな? 「僕だけ乗せてもらってないんだからさぁ。」との返事でした。そう? そんなにみんなを乗せましたかね? ではいつか……、と云う話になったので、帰りにアポなしでいきなり医師会長の自宅兼用のクリニックに寄ってみました。奥さんしかいなかったらどうしよう? と思いつつ、呼び鈴を押すと返事はなし、半分がっかり、半分ホッとしたような気持ちで会長の携帯電話に「参上したのですが……。」とメッセージを残して家に帰って来ました。
東名高速を走っている時の出来事は楽しかった、何となくちょっと幸せになったような気分でした。だからこそこのTasteを書く気になったのかも知れません。時速300km以上出る車だけど、時速100kmで走っていても充分楽しい、バイクにしても車にしても何となく乗り物好きは心が通じるような思いを改めて確信した一日でした。今のところ暑い期間はツーリングの予定はなし、少し涼しくなったところでエンジンオイルの新しくなった愛車で走り回ることにします。◯◯先生、今度はご連絡した上で伺いますね。
やはり車は楽しい!! もうだいぶ古さを感じる愛車ではあるけれど、なおさらのこと手放す気持ちはありません。と云うよりもうこんな車は買えないでしょう? 実はそろそろ女房の車も古くなり、しかも年をとってでかい車の運転が辛くなった(女房の車は長さ5m以上、重さは3t超え)とのことで、帰りに女房の車のディーラーにも寄ってきたのです。でも……、やはり値段を聞くと、今女房に車を買ってやる余裕はなさそう、もう2−3年今の車で我慢してくれよな……。
追伸
その数日後、また麻雀の機会を持つことになりました。同じ月に2回やるなんて滅多にないことですが、実は今回は普段のやり慣れた相手と。本当は前述の三師会中国文化研究会の前に練習としてやりたかったのですが、いつものメンバーが忙しく(一番暇なのが僕か?)、あいにく彼らの時間が取れずに、その大会の後となってしまいました。その日はあまり緊張することなく気楽な卓の囲み、気心知れた相手はやはり気が楽です。しかし却ってそんな時こそおかしな展開になるもの。僕の成績は6半荘やってトップ3回、ヤキトリ+ドボンが2回(酷かった!)、2位が1回と云う状態でした。相変わらず配牌はなかなか、写真の手は立混まっしぐら? これも未だ一度も牌を捨てていない段階ですが、やはりこんな手が僕には回ってくるのです。しかし! やはり相変わらず自摸が悪い、思わせぶりをさせて結局罠にはまるパターンが多かったようです。未だ修行が足りない? いつまでも成長しません。
結局この日はプラスマイナスほぼゼロで迎えた最終回、時刻もそろそろ遅くなり「この半荘でやめましょう。」と云ったところで大波乱がありました。何となく疲れて頭も朦朧とした来たところ、この時は配牌も決して良くなかった、それがいつの間にか暗刻が3つ(この時ばかりは自摸が良かった?)、また数日前の大会の再現かと思いつつ手が進むと、結局四萬と中のシャボ待ち、自摸れば四暗刻と云う状況になりました。みんなに降りてもらうべく、「これ上がってトップはもらうよ。」と大風呂敷を広げてリーチ、そして終盤(何となくこれは上がれそうだな? と云う予感は確かにありました)、あの中の盲牌の時の手触り! 僕にとっては数年ぶりの四暗刻を上がることになりました。ヤッタ〜 \(^O^)/ と声を上げてしまいました。他の3人は呆然……、結局最後の役満を上がった分だけこの日は勝つことになしました。やはり麻雀て人生そのもの? 波乱の人生そのものです。僕もこの日の如くHappy-endの人生を送りたいです。