Dr.Takの船舶免許取得日記第8日目

　この日はいつもより少し遅めに起床、小型特殊船舶免許のための2時間の講習を受け、そして学科試験。これで今回の私の講習は全て終わりです。試験も昨日みたいなことはないでしょう。昨日の試験官がこの日の学科の教官でもありました。実は前日、この教官とはホテルまで送っていただく車の中でプライベートなことまでずいぶん話し込みました。そんなことで非常に親近感を持ちました。今回の試験は23問、満点を取れたかどうかは分かりませんが、取りあえず楽勝と云わせていただいて良いでしょう。そして尾道を離れました。医師になって20年、生活にはあまり大きな変化なく過ごしてきましたが、この1週間はずいぶん違う身の振り方を経験できました。家族旅行も大切かも知れませんが、他の違った何かを掴み取ったような気がしています。

ここが小型特殊船舶操縦士免許の学科講習会場、そして多くの皆さんが泊まっていた寮でもあります。無事に試験を終えてホテルへ帰りました。ホテルをチェックアウト、1週間分をクレジットで払いました。こんな言い方で申し訳ないのですが、数年前大阪で泊まった一流ホテルでは一晩でこの値段でした。願わくば.....、宿泊料はもう千円Upしていただいて結構ですから、パソコンが置ける、物を書くことが出来るテーブルを置いていただけないでしょうか？

タクシーで新尾道駅へ。こだまで東へ向かいます。1週間の合宿生活、そのリハビリのために寄り道していきます。神戸？　京都？　名古屋？　神戸ではまたあくせくした街を感じてしまい疲れそう。京都を見て歩くにはあまりにも時間がなさすぎる。結局切符は名古屋まで買いました。尾道を離れる、ちょっと切ない気持ちです。ホテルで荷造りや少しボーッとした時間を持ちましたので、今回の受講生の中で尾道を最後に離れるのはきっと私でしょう。台風のはずがのどかな天気でした。

名古屋に着きました。何処に泊まるか、未だ決めていません。そんな予定を定めない旅行も私には珍しいこと、新幹線の中から駅の北側にそびえ立つツインタワーを見つけました。40階はありそう、そうだ！　綺麗な夜景を眺めたい！　ここにホテルが入っているならここに泊まろう。携帯電話でAmexの顧客サービスに電話、なるべく上層のフロアを取って下さいと非常にわがままな注文をしました。電話を切らないまま部屋を確保する手続きをしてくれます。

何とこのホテルは50階建て、48、49、50階はレストラン、ホールなど。私がリザーブ出来たのは47階、つまり「なるべく上層のフロアを取って下さい。」と云う注文の私に客室の最上階を取ってくれました。ここはロビーの15階、もちろん、後で最上階からの景色もお見せしますよ。部屋もシャワーブース付きのデラックスタイプ、ダブルベッドのシングルユース、しかも本当にそれで良いの？　と云う宿泊料でした。優待が適用されるようです。

実は名古屋を選んだ理由の一つにきしめんが食べたいと云うのもあったんです。夜飲みに行くお店も捜さなければなりません。パソコンをバッグから出し、インターネットに接続、Yahooにて名古屋Spaceナイトライフと入れて検索します。ウワッ！　2000数百軒がHit、多すぎる情報は使い物になりません。しゃあない！　取りあえずアナログな方法だけれどタクシーの運ちゃんに聞くか！

タクシーの中で尋ねました。「きしめんの美味しい店に連れて行って下さい。」　すると意外な答え。「きしめん？　きしめんの旨い店ってのはないなぁ。うどんなら飛びっきりの店があるよ。」　結局運ちゃんお薦めのうどん屋さんへ。味噌煮込みうどん。しかしメニューを見てびっくり、名古屋コーチン入りが3000円、それにマツタケが入って4000円、飛田高山の地ビール500mlで1680円！！

1000円しか違わないのならマツタケは韓国産だろう？　まず第一その季節でもない。うどんには前菜、ご飯が付きます。しかし4000円のうどん？　今まで食べたことない、ところが！　今まで食べたことがないくらい美味しい！！　入っている名古屋コーチンをおかずに私はご飯をお代わりしてしまいました。ビールも旨い！！　しめて6000円弱の支払になりましたが、間違いなく！　その値段の価値はあります。そしてこれまた高いんだけれど、お土産用に診療所のスタッフにうどんを送ってもらうことにしました。ナース△△は子供が3人、受付○○は子供が2人、受付□□は未だ新婚で子供なし。人数分揃えました。とにかく美味しい！！　名古屋にまた来たら間違いなく私はここに来ます。

イヤー！　このうどんに巡り会えただけでも名古屋に来た甲斐があった！　そしてこのうどん屋の店長さんに尋ねました。あまりぼったくられないところで楽しく気持ち良く飲めるところを教えて下さい。「私は行かないんですけれどね.....。」って繰り返し強調されていましたが、推薦のお店を伺いました。わざわざ店の外まで出てくれて、あそこですよと指さして教えてくれました。そしてその店へ。店の前ではボーイさんに名刺の呈示を求められました。もう残ってないんですよ。同業や暴関係の人は困るとのこと、職業が分かれば良いと。医師国保の保険証を見せてパス。何と付いた子が昼間は診療所の受付と看護助手をやっているとのこと。大いに話は弾み名古屋の夜は更けていきました。

　また都会に戻ってきました。私にはどちらが合っているんだろう？　素朴な疑問です。明日は東京へ。そして二日休んだら仕事が始まります。アッと云う間に月末、長く休んだそのしわ寄せは確実に来ます。そう、今はアテネオリンピックの真っ最中。でも夜にニュースでハイライトシーンしか見ていません。きっとまたダイジェスト版の放送があるでしょう。それをビデオにまとめればいいや。
　47階から眺める夜景は素晴らしいものでした。しばし見とれていましたが、ルームサービスでまた水割りを飲むまでの体力は残っていません。やがて楽しかった思い出を胸にnon-REM睡眠に陥っていきました。