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嫌われ者といじめ

 銀行に対して外形標準課税というのが導入されます。銀行の人以外は諸手をあげて賛成、取れるところから取る、そして今度は石原さんの奇襲に便乗して、国がみんなから広く浅くなんて馬鹿なことを言い出す始末。銀行は今公的資金の注入を受けながらも、リストラも進めずに嫌われ者状態、その嫌われ者をみんなで虐めているような様相を呈してきました。そして銀行の件が一段落つくと次の嫌われ者がターゲット、多分次は我々医者だと私は思っています。最近落合信彦さんの”「ケンカ」のすすめ”という本を読みました。これ結構面白かったですよ。最初のプロローグの中で、銀行に対するいじめについて書かれていました。この人は国際ジャーナリストなので、グローバルな眼から我が日本のいじめの構図について述べています。やはり欧米に比べて日本は陰湿、暗いイメージがありますね。ある日この本を読んでいるうちに夢中になってしまい、大して酔っぱらってはいないのに、電車で降りる駅を通り越してしまいました。それも2駅も。久々の経験でした。

 最近いじめの問題が取りざたされていますが、これって現代社会の縮図のように思います。もちろん、小中学校のいじめも大変な問題だと思いますが、それより大きなスケールで行われている大人のいじめもまたまた困ったことだと思います。別に銀行を擁護しているつもりはありません。確かに振込手数料840円と云うのはチョーむかつきます。当院の担当銀行員も高くてすみませんなんて云ってました。まったく、ホントだよ! 銀行は銀行で給料が高いと云われるが、銀行員個人個人が持つリスク、労働条件、ストレスを考えれば決して高くないと云っています。30歳で年収1000万超え......。ちなみに私が30歳の時(勤務医時代)はとてもとてもそんなに貰えませんでした。ちょっと脱線しますが、開業医もサラリーマンと比べると収入が多いとよく云われますが、これってちょっと無理な理論だと思うんです。開業するのはある程度勤務医時代に下積みをして経験を積んでからの話。もしサラリーマンと収入を比べるなら、サラリーマンの中で課長や部長クラス、つまり年齢を揃えて欲しいと思います。それに我々開業医には退職金なし。死ぬまで働きます。運良く年老いて勇退できる先生は半分くらい、仕事をしながら現役のまま死んじゃう人って多いんです。私の父は59歳で他界、私自身も65歳まで生きられれば末娘もお嫁に行って、最後の孫の顔が見られるな、なんて計算をしています。とても80、90歳まで生きられるようなペースで仕事をしていません。だから一生にもらえる金額はそれほど開業医でもサラリーマンと比べて差はありませんよ! と声を大にして云いたいです。ただ開業医には定年がないので、運良く生き残っている人であればその分お得でしょうか?でも私が70歳で今の患者さんの数をこなせるとは思いませんが。銀行はとどうを組んで提訴する姿勢を見せていますが、実はこれは見物だと思っています。どうなるでしょうか? これが一段落つくと今度は医者の番? 診察税とか外来税とか、処方税とか名前を付けて、保険支払いの5%を徴収します、なんてことにもなるんでしょうか?

 このページに「いじめ」とテーマをつけましたが、いじめられる対象は少数派、孤立した集団や個人なんです。大衆大勢を巻き込むものをいじめとはいいませんものね。銀行も給料の高い、資本注入を受けた少数派だからいじめられるんだと思います。そして、政界に強いコネクションがないといじめられます。銀行ってそういうコネがありそうだと思ったんですけれどねえ。むしろコネがあっても、いじめを仕掛けたのが国や政府ではなく、石原さんだったからうまく行ったのかもしれません。しかも今コネでつながっている人が声を大にして銀行をかばったら、総選挙間近ですから、かばった人に火の粉がかかります。と云うことは、石原さん、絶好のタイミングでこのいじめを仕掛けたことになります。もしそうだったらやはり石原さんは頭がいいなあと云うことになります。昔は医師会もそう云うコネが強かったみたいです。敢えて名前はお出ししませんが、当時非常にレアなベンツのリムジンに乗っていたすごい人がいらっしゃいました。ケンカ○○と異名を馳せた人です。多分40歳以上の方なら、この先生のことをご存じでしょう。いろいろとやかく云われた人ではありましたが、私の聞いたところでは、この先生は非常に勉強家だったようです。もちろん政治力はすごい人でしたが、医学に関しても非常に造詣の深い、多岐に渡る知識を持ち合わせた方だと聞いています。この人が亡くなってから、非常に医師会は力を失ったように思えてなりません。まあある組織だけが政治的に強い力を持つのは、民主主義に反すると云うことで、むしろ良かったのかもしれませんが、今我々はそのリバウンドを受けて酷い目に遭わされています。正直なところ、お医者さんってもっと楽な仕事だと思っていたんですよね。まあ、ざまあ見ろと云われればそれまでですが。ところで銀行の話の続きですが、もし銀行だけが課税されるようなことになれば、そのしっぺ返しは必ず来ると思いますよ。今まで取られないで良かったものが取られれば、きっとどこかで取り返そうと考えるはずです。それは当然でしょう? 貸出金利の引き上げ、預金金利の引き下げ、手数料の値上げ、はたまた貸し渋り等々。石原さんもそれなりに覚悟しているでしょうね。でも結局一般の人が被害を被ります。

 このページの私の結論です。世の中、放っておけば必ず徐々に物価が上がってきます。それは当然です。そしてそのために税金が上がる、またそれに見合う利潤を求めていろいろ値上がりします。どうどう巡りです。GDP がアメリカに次いで世界で第二位と云う我が日本で、老後の生活や保障はその他の国々よりかなり惨めになっているようです。年老いたら死ねと云わんばかりです。結局誰かがストップをかけるために泣かなければならないんです。それを誰がやるか? やはりそれは個人ではなくて、私的組織ではなくて、親方日の丸、つまり国、都道府県や市町村が泣いてくれなきゃ困ると思います。それを我先に先頭突っ走っているんじゃ、いつまで経っても世の中良くなりませんよ。高けりゃお客さんが来ないような世の中にしなければ良くなりませんよねえ。そして無理して先頭に出ようと思う奴が逆に陶太されてしまうようになっていけば、今私が述べたどうどう巡りは良い方に回転し始めます。その良い例がディスカウントショップです。安いからこそお客さんが集まります。安くても粗悪品を売る店は潰れるはずです。そして我々も粗悪品を見破る目を持たなければいけないと云うことです。ねっ、そうでしょ?