ダメな日本の規制、税制
木曜日に電車に乗るときはいつもNewsweekを買って読むのですが、本日は朝早かったためか駅の売店に未だ出ていませんでした。やむなく他の雑誌をと云うことで見回してみると、ある雑誌にSPECIAL REPORT 世界の大富豪辞典、落合信彦「真の勝利者とは」と云う見出しが目に飛び込んできました。以前お話ししました「ケンカのすすめ」と云う本で落合信彦さんのファンになったことと、大富豪と云う言葉に引かれ、その”SAPIO”と云う雑誌を買って電車の中で読みました。別に大富豪そのものに興味があったり、それに憧れているわけではないのですが、大富豪になる過程の話に興味を引かれました。なかなか面白かったです。と同時に日本の税制や規制が如何に日本をダメにしているかと云うことをかいま見た思いで、このGrumbleを書くことにしました。
この本によると、1990年の世界の億万長者の第一位、第二位はともに日本人、鉄道グループのボスと、数多くのビルを持つオーナーでした。しかしこの10年間に世界は大きく変わり、ソ連が崩壊する中、ロシアンマフィアが台頭、一方で新しいビジネスチャンスをものにしたビルゲイツを筆頭としたネット長者達が表舞台に躍り出てきたとされています。落合信彦さんはこのような世の先頭に立つ人達を「勝ち組」と「負け組」に分けています。云うまでもなく、長者の中で経済的勝者と敗者に分けている訳ですが、一瞬で消える勝者、あるいは更に勝者を生み出すことの出来ない勝者は真の勝者ではないとしています。何となく分かりますね。更に日本のシステムは真の勝者を生み出すことが出来ないと書いてあります。まさに日本の税制や規制が如何に日本をダメにしているかと云うことです。
例えばようやくいろいろな場面で緩和されてきた規制事項、かつてこんなことがありました。ことの善し悪しは別として、地域振興券と云うものが国民に配られました。それを配る際に、郵便ではなく一般の宅配便を市町村が利用しようとしたところ、郵政省がこれは親書だから法的に郵便物として扱わなければならないと横槍を入れたのです。郵便より宅配便の方が安いんですよ。それを法的な規制でもって、わざわざ高い料金を支払わなくてはならないと云うのです。郵便って国が援助しているシステムでしょう? 自ら人の助けを借りないで、経営努力によって経費を削減して安い料金を提供しようとしている会社に対して、援助を受けている奴らがより高い料金で自分達を利用しろと云っているのです。国から援助があれば、宅配便より安い料金で出来るはずではないですか? もう宅配便はかつて出来なかった離島への配送も出来るように努力してきました。更に、私のクレジットカードの支払い明細書はオーストラリアから来ます。日本国内から発送するより、オーストラリアで印刷して、航空便で日本国内に配送した方が安いのです。いろいろな日本国内の会社からのダイレクトメールも結構外国から来ます。こんな馬鹿なことがありますか? これでは小泉さんに荷担したくなるのも当然です。税制でもそうです。音楽プロデューサーの小室哲哉さんは自分の活動拠点を日本からアメリカに移してしまいました。日本は税金が高いからと云うことで、日本から逃げていったのです。こんなに稼ぐ人だから、税金の高い日本に拠点を置いて活動していたのではたまったものではありません。日本の税制が馬鹿だから、こんな逸材、才能を海外に取り逃がしてしまっているんです。なんて愚かなことでしょうか?もう税金のことになると本当に頭に来ます。それでどうしようもないことに無駄遣いしやがって! 17歳にして長者番付に載った宇多田ヒカルさんも「税金って高いな~。」と云っています。
この”SAPIO”の記事の中に面白い例えがあります。ある石油で財をなした人の言葉です。「金と馬糞は同じだ。馬糞はばらまけば肥料として役に立つが、一ヶ所に集めておくとただ臭いだけだ。」と。日本のお金は馬糞化してしまっているんだそうです。もういよいよ日本ってダメになるのではないでしょうか? 私の知人で老後は外国で過ごすんだともう土地を買ったり、家を建てたりしている人が複数います。彼らの選択は賢明なのかなあと思う今日このごろです。