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○○すべき

 いろいろな場面で「○○すべき」と云う言葉が使われます。これほど人間のエゴを如実に表している言葉はないのではないかと私は考え、自分の嫌いな言い回しの一つになっています。よく国会の討議の中でこの言い回しが出てきます。”この公共工事には地元の企業を使うべきだ”とか”出処進退は本人自ら決めるべきことだ”なんてね。だいたい、その”べきだ”と云う言葉が使われるときには、それが普遍的にそのようになされるものと云うニュアンスを含んでいるくせに、その理由がハッキリと明示されない、されるわけもありません。それはそう云っている奴の独断なのですから。その個人の独断を他人に強制的に押しつけるとき、この○○すべきと云う言葉が使われるわけです。国会のニュースでそれぞれの政治家の意見としてそのような言い回しが頻繁に使われ、いつも私は”お前がそう決めつけるその理由は何なんだよ!?”ってテレビに向かってブツブツ云っています。でも、そうでしょう? そもそもこの”べきだ”が使われるときは、そう云った奴の利益や利権がかかっていることが殆どではないでしょうか? あるいは自分があずかり知らぬこととして逃げたいと云う意味が含まれていることもあるでしょう。地元の企業に任せるなんて場面では、その企業から献金を受けているとか、その地元の企業を中心に票集めをしているとかが関の山ではないでしょうか。当然自分に還元される利益のためにそんな云い方になってしまうわけです。ニュースや新聞ででそんな言葉で報道されるたびにイヤな思いをしているところです。
 国語辞典では”べき”は出ていませんが、同じ助動詞として”べし”が出ており、やはり命令を表す意として記載されています。つまり”この公共工事には地元の企業を使うべきだ”と云うことは、”使ってやれ”と命令していることになるわけです。何のため? そう、てめえの利権の為に、そう考えるとますます血圧が上がってきますね。今までやられてきたことを変更する場合にもそんな言い回しが使われますが、それはそう命令を出した奴の利権のためにそうしなければならない? 冗談じゃないよね!
 普段何気なく使っている言葉がそんな意味を持つことを考えると、受け取る人間によっては怒らせたり、傷つけたりすることになるんですね。日本語ってのは本当に難しいですね。よく敬語の使い方が問題になりますが、充分常識を理解しているつもりでも、思わぬ勘違いだったりすることがあります。私も正確には知らないのですが、目上、対等の身分の人への手紙に”殿”を使うのは失礼だと解釈しています。”そんなことないよ”って意見もあるのですが、そんな人には「だって殿は臀で尻って意味だぜ。」って話しています。やはり日本語は悪魔の言語なのか? こんなことに気を遣うくらいなら”Sir”をつけておけば殆ど間違えることのない英語の方が楽なのかも。
 先日、歌舞伎町を飲んで歩いていたらおかまバーの客引き(どうやら本人もおかま)に声を掛けられました。「お兄さん、どう? 寄っていかない?」と聞かれ、「ゴメン、僕はそう云う趣味はないんだ......。」って断ると「何よ!? あなたは寄っていくべきよ!」と云われました。それは”寄って行け”と云う命令? ”寄っていかない?”で止めておいた方が良かったね。 ”それはお前の独断だよ”、”俺に命令する気か?”なんておかまに云っても何の足しにもならないでしょうけれどね。