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無形サービスの料金


 ある最近ちょっとムッとしていることがあります。ものを買うときはだいたいそこそこの相場と云うものがあります。もちろんそれからかけ離れたような値段のものは買いません。しかし今や第三次産業、いわゆるサービス業と云うのはものではなくサービスを売って収益を得ます。かく宣う私の行っている医業もサービス業、第三次産業に分類されます。なかなかその相場と云うものが見えないのが事実。私が患者さんに行うサービスについては国が事細かに値段を決めています。それも世界水準から比べれば格安の料金設定で。しかしこのような無形のサービスについて、売る側が値段を決めると時に飛んでもない料金になることがしばしばあります。得てしてそんな料金はホントに安いのか高いのか判断に迷うことがしばしば。もちろん売り主も自分を安売りしたくはないでしょうから、その妥協点を探しているのでしょうけれど、時に”ふざけるな!!”と云いたくなるような料金設定があります。
 当院は週に1回、業者に任せて院内の清掃をしています。こんな清掃会社は当初、まず無料で1回やってこれで評価をしてくれと云うことで契約するかしないかを決めます。数年前に来たときにはスタッフ3人が来て2時間の清掃をしてバッチリきれい、そこで契約してだいぶ時間が経ちますが、今は2人来て1時間で終了、見積もり通りの値段です。3人が2時間やって6人/時間の仕事、それが今では2人/時間の仕事です。つまり契約したときの内容から見れば今の仕事は1/3、だから料金は1/3で良いと思うのですが、結局ズルズルと今まで来ています。以前床のモップがけがあまりにも酷かったので、上司を呼びつけ、現場を見せて怒りました。すぐにやり直しをしましたが。幹部候補でも最初は現場での作業を研修の意味も含めてやらせるようですが、清掃会社としては名の知れた一流企業、恐らく幹部候補は大卒くらいでしょうが、現場の仕事が理解できないような奴に部下を動かすことは出来ないはずです。当院のスタッフには清掃後しっかりチェックするように云ってありますが、現在では見積もりの1/3の仕事(値段から云えば見積もりの3倍)で妥協しているのが現状です。
 私の父の時代からつき合いのあった防災設備の会社がありました。年に1回、診療所部分と自宅部分の火災報知器その他を点検し、2年に一度は消防署へ提出する書類を作成してもらい、提出していました。8年前、当院は改築し(床面積は僅かな増加)、またその後のメンテ、点検をその会社に依頼しましたが、見積もり書が来て”だいぶ設備が多くなったのでこの値段にさせてください”と云う旨の書類が郵送されてきました。見てみると点検のための料金はジャスト2倍、設備は到底2倍には増えていません。調べてみるとその会社は社長の息子が後を継いで交代したもよう、若造が楽して儲けようと思うな! と考え、見積もりに対する返事も出さずに他の業者に替えました。8年経った今でも昔と同じ値段で満足の行く点検をしてもらっています。
 当院を改装したときに任せた建設会社から紹介された医療器具の会社がありました。云ってみればその建設会社とコネのある小さな会社ではありますが、もともと私がつき合いのある医療器の会社もありましたが、やはりむげに断るわけにも行かず、新規に入れる機械の一部をその業者に任せることにしました。2~3種の機械の見積もりを出させて、それもOKと云うことで買い入れようとしました。更にその医療器会社が医療機関をソフト面でバックアップするような会社を紹介してきました。その時点ではあまり必要ないと考えていたのですが、熱心な呼びかけにその担当者と会う手はずになりました。そのサービス会社は待合室、診察室の配色を考え、椅子などの家具といっしょにインテリアコーディネイト、診療所のロゴデザイン、そして封筒や便箋のデザインをやらしてほしいとのことでした。実はこんなことは私自身でできること、何もお金を払ってまでその無形サービスを受ける必要はないのですが、話だけでも聞いて見積もりを立てさせてほしいと云ってきます。その頃は私も自分の新しい診療所に対して様々な青写真を立てており、また自分の好みに合わせて自分の仕事場、ましてや自分に診療を任せてくれる患者さんに対するアメニティを工夫すると云うのはなかなか楽しい仕事ではあったのですが、とりあえず話だけでも聞くことにしました。医療器具の会社が連れてきたそのサービス会社は私が医療雑誌でレポートを見たことがある会社、ある病院の一例が事細かにかかった経費まで掲載されており、この会社に面談する前から”よくもまあこんなお金を払うなぁ”と思っていた会社でした。私はその担当者に「お宅の仕事は○○誌で知っているよ。あそこまでうちでは到底払えないからね。」と釘を刺しておきました。とりあえずは見積もりだけでもと云うことになり、具体的なシュミレーションもなく、まず金額の話となりました。それだけでもおかしな話ですが。数日後そいつが持ってきた見積もりを見て仰天しました。その雑誌に掲載されていた病院よりも高い値段が書いてあったのです。烈火の如く怒った私はそいつを連れてきた医療器具の会社ごと取引を打ちきりました。こんな寄生虫みたいな奴らが医療現場に食い込んでくることで日本の医療はダメになるとまで考えたものです。結局その会社がやろうとしたことはロゴマークのデザインまで含めて私が1人でやり、経費は買った待合室の椅子(近くの総合家具センターで格安で購入)代だけ、その見積もりの1/10で済みました。未だに汚れることなくその椅子を使っていまし、配色やデザインを誉めてくれる患者さんもたくさんいらっしゃいます。今でもそのデザイン会社は存続しているのでしょうか?
 最近では契約を結んで建物や機械のメンテナンスを任せるのが通例になっています。当院でもコピー機、レントゲン機器や内視鏡、水回りや空調関係についてメンテナンス契約を結んでいます。不調があれば電話1本で飛んできてくれます。契約内容によっては、その契約料の中で修理を見てくれる場合も。しかし先日の新聞報道では、その契約を結んでいない顧客に対してビル管理会社が修理部品の納期を故意に遅らせた上、通常の数倍もの修理費を請求したことが報道されました。もともと修理の技術料なんて無形のサービスに対する料金の相場はあってないようなもの。契約を結んでいなければいくらでも法外な料金をふっかけることが出来る訳です。当院には診療所の入口に二つの自動ドアがあります。建築会社から紹介された自動ドアのメンテナンス会社が契約を結ぶように進言してきましたが、ドアが二つあることから基本の契約料は2倍とのこと、同じ場所にあるのだから交通費や手間を考えても倍付けってのはおかしいじゃねぇかと云うことで私は契約をしませんでした。契約を結ばなくても故障したときに電話1本で出張修理してくれる会社のチラシはたくさん舞い込んできます。料金表を見ると決して高いものではありません。
 日記にも書きましたが、最近コンピューターソフトのバージョンアップを薦めるダイレクトメールが増えています。今の環境で満足していればバージョンアップが必要ないものもあります。またバージョンアップの内容を見て、その値段に見合うソフトの進化があればそれも納得できるでしょう。しかし、最近のソフトはそれほどアピール出来るような性能の向上を伴わず、なおかつかつてのような気軽に料金を出せるような金額ではないものが増えています。特に私の憎んでいるソフトについては新たにソフトを買うのに近い料金を請求し、しかもバージョンを2段階Upするのにそれぞれの料金を加算しようとしているところがあります。しかもバージョンアップしないとサポートしない(どうせサポートなんてしてもらったことは一度もありませんが)なんて脅迫まがいの文句を云ってくる奴がいます。仕事上どうしてもそのソフトを切ることが出来ませんが、いっそのこと根本からそのソフトと縁を切りたいと考えるようになってきました。このソフトとは縁が切れたら実名を上げてGrumbleに書いてやろうかと画策しています。