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技術革新と倫理の狭間で

 21世紀早々のUpdate Repoetで医学の進歩について少し触れました。最後のクローン技術については、私自身本当に懸念するところです。どころが! もうクローン・ベビーを年内には生み出されるなんて動きがあるんです。冗談じゃあないよ! 本当に誰かが歯止めをかけないととんでもないことになりそうですよ。

 生後10ヶ月で死亡した赤ん坊のクローンを、アメリカの夫婦の希望によって作るんだって。何か怪しげな宗教団体が。その夫婦から2億円の提供を受ける約束も取り付けているんだそうです。そう! だから困るんだよ! 金のためなら何でもするって奴が世の中にはいるんですよ!

 シュワルツネッガーの映画みたいなことが現実に起きてしまいますよ! 現在では羊のドリーを始め、ブタやウシではクローンはたくさん出てきています。サルのような霊長類も遺伝子の組み換えは成功し、クローンの完成1歩手前まで来ています。理論的にはクローン人間を作ることは、今でももう殆ど可能でしょう。その技術革新は私も認めるところです。でも! これは絶対にやってはいけないことだと思います。必ず間違いが起こります。どんなに議論して、どんなに厳しいルールを作っても、それを破る奴は必ず出てきます。死んでもまた作れば良いと云う考え、子供に弊害を与えてきたゲームのリセットと同じ事が、今正に行われようとしているんです。ヒトラーの復活を目指す奴も出てくるでしょう。子供を失った悲しみはよく分かります、理解出来ます。だけど、本当にこの夫婦が死んだ赤ん坊と同じモノを望んでいるのでしょうか? 死んだ幼い赤ん坊であれば世間の批判をかわすことが出来る、このモノを作ろうとしている奴らはそこまで考えています。そこまでやるのであれば、我々が人間たる尊厳を守るために技術革新を捨てた方がまだましではないかとさえ私は思います。そこまでして生きていたいですか? ある開発途上国では、肝臓や心臓を取り出すために子供が殺されていると云う噂がまことしやかに囁かれています。恐らくそう云うことは行われているのでしょう。そんなことをしそうな奴らはいますよ、きっと。

 人間てのは、持って生まれた性格、才覚に様々な経験を積んで、そして少しずつ成長して出来上がっていくものです。それも決して完成することはありません。年をとって肉体的には衰えても、その人の人格形成や才能、知性、知能は伸びていきます。それはその人が暮らす環境の中で良い方にも悪い方にも左右されるはずです。遺伝子だけ同じものを無理矢理作り上げて、同じ人間だなんて言い張るのは、神に対する冒涜以外のなにものでもないと私は考えます。大脳はコンピューターのハードディスクと同じように、新しいデータがどんどん書き込まれていきます。でもハードディスクと違うのは、そのデータを如何ようにでも加工して活用していくこと、更にそれを活用する際に理性があること、機械に理性を求めることは出来ません。人工知能? そんなもの作ったら必ず人間の存在そのものが邪魔になります。やがて人間は機械に殺されるようになるでしょう。正にこれこそ映画の”ターミネーター”の世界ではないですか?

 本当に私は身の毛のよだつような恐怖心を持ちます。こんな事を肯定する人間が存在すること自体に。なんとかしなければ、核で人間が滅びる前に、人間そのものが生きていく環境を失うような気がしてなりません。本当にちょっとやばいよ! と私は考えています。