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優良企業の6ヶ条

1)明確な事業範囲~経営者が自社のコンセプトを基準に、乗り出すべきでない事業を明確に判断できる 
2)独自の経営戦略~コンサルタントの意見の無批判な導入や、同業他社のまねなどをせず、経営者自らが経営戦略を考え抜いている
3)傍流を経験した経営者~経営者が一時期、企業のエリートコースから外れ傍流にいて、自社を客観的に眺め、不合理な点を見てきた経験がある
4)危機感の存在~会社存亡の危機に際して新分野を開拓するなどの逆転劇を体験している。または、危機感を社内に醸成する文化がある
5)身の丈にあった成長~株式市場にかく乱されない手元の資金の範囲で事業展開する
6)規律の文化~経営者や従業員に使命感や倫理観などの規律が存在する

 この6ヶ条が経済産業研究所がまとめた”優良企業の共通点”なんだそうです。ある日の新聞の第一面に出ていたのですが、食い入るように読んでしまいました。約30社の企業を選出し(中には私にとってどうしても納得の行かない企業が入っていましたが)、それらを分析した結果なんだそうです。なるほどね。しかし、この具体的に挙げられている優良企業の中にヤマト運輸、セブンイレブン・ジャパン、そして任天堂が入っています。言わずもがな、これらは宅急便、コンビニエンス・ストア、コンピューター・ゲームと今でこそ何処にでもありふれたものではあるのですが、そのパイオニア達なんです。やはり自らの知恵で全く新しい市場を開拓し、そしてその中でもライバルの出現にもめげずに頑張ってきた企業です。やはり何か新しいものを考え出す、それが成功するための一つの大きなファクターのようです。もちろんそのような新しいものは次から次へと出てきているのでしょうが、その中で生き残るためには絶え間ない努力が隠れているのでしょう。

 明確な事業範囲~これはバブル時期に先々の明暗が分かれているのでしょう。大手銀行で唯一注入された公的資金を返済している某銀行は、やはりバブル期にあちこち手を出さなかったと聞いています。あの頃はお金を貸してって云えば貸してくれた時代、そんな時に自制心を持って、時には顧客を逃して大変だったと思います。経済のプロでもなかなか見抜くことが出来なかったバブルとその後の衰退、ましてやその後に”失われた10年”と呼ばれるような暗黒の時期が来るとはみんな思いもよらなかったでしょう。当時は地上げ屋の月収が5千万? しかしそんなやり方で今も順調に生き残っている奴はあまりいないんじゃないですか? 過剰な設備投資が自らの頚を締めているなんて話もよく聞きます。

 独自の経営戦略~考えているではなく考え抜いていると書かれています。様々なシチュエーションを想定して、シュミレートして戦略を練ってきたのでしょう。パソコンもどうやらその頃に普及し始め、そんな企業のマーケティングに大いに活用されたことと思います。だけどこれから起きる色々なことを予測して戦略を練っていくなんざ、一つ間違えたら大変なことになりそうですね。中には運が良かった悪かったで明暗を分けた人もいるのではないでしょうか。コンサルタントの導入や同業他社の模倣も時には大いなる力になるのでしょうけれど、そんな専門家が間違った方向に導いてしまう結果になった例もあるでしょうね。信頼できる水先案内人とパートナーシップ、これも大事ですけれど、時には両刃の刃ってことでしょうか?

 傍流を経験した経営者~別に主流から離れなければいけないわけではないでしょうけれど、自らの姿、行動を客観的に眺めることが出来ると云うのは大事なことであり、また難しいことですね。この項目は私自身にもよく当てはまるような気がします。幸いにして今のところドン底の傍流に流されたことはありませんが、そんな苦労はしないでのし上がっていく方が当然理想的です。しかし人間は猿と違って反省する生き物、その猿にも劣る反省できない人間もいるでしょうけれど、自分の自らの軌跡を振り返るってことは、これまた重要です。云うのは簡単だけど、自分が当事者として見つめて行くことは時に後退を余儀なくされることもあるのではないでしょうか? だから日記をつけるのは有効な手段かも。

 危機感の存在~これは私は常に持ち続けています。ましてや私の仕事は脆弱な国策の上に乗っかっているわけですから。公称2.7%減と云われたことが、実際には二桁の減と云うよりは後退になってしまうような、信頼度が限りなく0に近い人間に操られているわけですから。危機感がないはずないですよね。私なんざいつも危機感を抱いています。

身の丈にあった成長~これは私には頭の痛い言葉ですね。8年前に当院は相当な借財をして改装しました。この返済を未だに引きずっています。何処までが自分の”身の丈にあって”いるのかはなかなか判断できませんものね。

規律の文化~そう、当院にはこれがありませんでした。様々なルールは私の頭の中? 誰かさんの領収書と違ってそうは行かないでしょう。折しも数日前、当院のスタッフを呼んで”最近はたるんでいる!”と私が怒った際に、年内くらいを目処にマニュアルを作れって指示を出したところです。何事もルールがなければ話になりませんから。キチッと一線は引くべきだと考えました。

 いろいろと自分の仕事に当てはめて考えました。開業医と云うのは一般の企業から比べればちょっと特殊、何か新しいことを始めようと思ってもそうは行かないのが現状です。私が医療とまったく違うサービスを提供する? まぁ無理でしょう。でも全く違う商売を始めようとする知人を見て”羨ましいなぁ”と思うことがあります。もちろん大きなリスクを背負うことは間違いないのだと思いますが。そんな優良企業たるノウハウを紹介するような本を時々読みますが、自分の仕事には活用できない部分があるのは間違いありません。でも、取り入れられるものは取り入れていますよ。どうやらアメリカの景気にだいぶブレーキがかかってきた様子。アメリカくしゃみをすれば日本なんか吹っ飛んでしまうような気がしています。まず国にこの6ヶ条を当てはめてみると、特に”危機感の存在”については今の執行部では絶望的な感も否めません。小泉さんも自己満足、自画自賛の状態。日本の政府が優良企業となるのはいったいいつの事なのでしょうか? スタンダード・プアーズの評価(確かにおかしいところもあると思います)に喰ってかかるのではなく、何とか信頼を回復することが先決ではないでしょうか? これ以上税金を上げるなら”身の丈にあった成長”を国がしてくれるように願いたいですね。