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ランボルギーニ創立50周年! フィレンツェとボローニャへ

  •  ランボルギーニ・ディアブロに乗り始めて早13年、買い換えることが出来ずにこんなに時間が経ってしまいました。しかし外見的にはそれほど古さを感じず、タイヤやブレーキ、クラッチ等は交換するものの大きな故障もなく、先立つものがないまままだ当面乗り続けるつもりです。これくらい付き合いが永くなるとオーナーズクラブのメンバーを始めいろいろな人と付き合いが始まり、いわゆるランボルギーニ仲間、車仲間もかなり増えました。そんな人と話す中で数年前からランボルギーニ50周年の話題が出てきていました。当初は気軽にクリニックを閉めて本社のあるサンタアガタへ行こう、その頃には仕事も落ち着いてそれくらいの余裕があるだろうとたかをくくっていました。しかもそのイベントは勝手に秋だと思い込んでいました。しかしふたを開けてみると...、何とそれはゴールデン・ウィークの翌週だと云うことを2012年の11月に知りました。それは無理だ、いくら何でも祭日を合わせて1ヶ月の1/3の仕事を休むなんてことは。結局行くことは諦めて年を越しました。しかし年明けになると親しい友人から一緒に行こうよ と云うお誘いを複数受けるようになり、悩みに悩んだ挙げ句! JALのマイレージで成田-パリ間の飛行機が取れたことを良いことに、クリニックのスタッフ達にもお願いしてゴールデン・ウィークの日曜日以外の休日は診療続行! そしてゴールデン・ウィーク明けに5泊6日で臨時休診としてイタリアへ出向くことが決定しました。そして前々から行きたかったフィレンツェに3泊、ボローニャに2泊と云う計画が立ちました。そう、考えてみれば60周年にサンタアガタへ行ったってちんけなイベントしかしないだろう、創立100周年まで僕が生きている訳がない! 一生に一度きりのチャンスだ! 生涯の思い出になるだろうと考えて出掛けてきました。blue heart.GIF

第2日目、 昨日は移動のみ、夜11時過ぎから2時間ほど街歩きをしてみました。もちろんその時刻ではレストランとバーくらいしか開いていない、むしろ食事にありつけただけでもラッキーだったのかも知れません。やはりヨーロッパは遠い! マニラのように着いたその日にプールサイドでひっくり返っているなんてことは到底無理です。昨夜は1時過ぎには就寝、目覚ましをかけることなく、6時間後にシャキッと目が覚めました。時差ぼけもなさそう、むしろ体調は却って良いくらいでした。もしかしたら? 昼夜逆転して日本で普段から時差ぼけしているのではないか? そんな風に考えるくらい体調が良い印象でした。さぁて、今日は歩きますよ〜!!LinkIcon

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寝心地の良いベッドでグッスリ眠れました。午前7時にはシャキッと目が覚め、すぐに身体が動きました。昨日の永いフライトの疲れも完全に取れ、今日一日フィレンツェの街を歩き廻ってやろうと言う気持ちでモチベーションが上がっていました。やはり仕事のことが頭から離れると爽快!

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窓の外を眺めるとお天気はまずまず、あいにくフィレンツェの歴史探索のための予習はしていないので、今日はただただ歩くことにしています。取りあえずベッキオ橋とドゥオーモは観に行くことにしています。日本は今はもう午後2時? 取りあえず今起きた旨のメールを女房に送ります。

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朝食前にまず周辺を散歩してみることにしました。見知らぬ街を目的もなく歩くのは何ともワクワクします。運悪くホテルのエントランスの前は工事中、ちょっと興醒めです。しかしこの街には新しい建物がない? 歴史ある古い建物、或いは道路を修復しながら使っているようです。

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これは宿泊したホテルの向かい側の建物、未だホテルをインターネットで検索している時、これがホテルの入り口かとも思いました。しばしここに座って人通りを観察、この建物自体は今は活動している様子はなさそうです。さて地図もなしでどのように歩くか? 朝食まで小一時間の散歩です。

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上の階段の所からホテルを見た図。ホテルは4階建て、やはり歴史のありそうな建物です。周囲と同じ高さ、突出するわけでもなく、周囲の景色に溶け込んで何気なく佇んでいる様相、もし道に迷うと多分方向が判らなくなる、人に尋ねようとしてもイタリア語は話せない、ちょっと不安でした。

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さて、街の探索開始、今は地図も持っていないので、取りあえず真っ直ぐ歩いて左折、真っ直ぐ歩いて左折を繰り返そうと思います。そうすれば元に戻ってくるだろうと思いました。市内は碁盤の目と言う程真っ直ぐではありませんが、大体そんな構造になっていそう、打ち水が撒かれているようです。

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朝の7時過ぎ、新聞や雑誌を売るスタンドはもう店開きのようです。スタッフらしき男の人がもう何やら準備をしているよう、お土産らしきものも売っているようでした。一日どれくらいの売り上げがあるんだろう? どれくらい稼げば暮らして行けるんだろう? 考えることは現実的です。

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サン・ジョヴァンニ(聖ヨハネ)洗礼堂、八角形のシンメトリックな建物、これも写真で見たことがあります。さりげなく佇む有名な建物、ボーッとして歩いていると札幌の時計台みたいに気付かずに通り過ぎてしまいそうです。空気はヒンヤリ、東京よりはだいぶ涼しいようです。

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その建物の壁画、これは本で読みました。名を残す有名な芸術家複数がそれぞれ作成したとか。未だに金色に輝くこの板は誰かが磨くのでしょうか? 確か親子二代にわたって作成したとも書いてあったように記憶しています。僕は絵が下手、絵を書くのが上手い同級生に嫉妬したこともありました。

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帰国後、そしてこのページを作成する時、改めて写真とガイド本を照らし合わせて協会や洗礼堂などの建物の名前を調べました。でも結構似ている建物もあるよう、窓の数や門の形が違うのである程度確認できますが、本来なら予習をして、その歴史まで頭に入れていけばより探索は楽しくなるのかも。

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この建物だけは一目見て判ります。ドォーモと書いてある本とドゥオーモと書いてある本がありました。やはりフィレンツェでNo.1の建物? 独特の偉容、荘厳さを醸し出します。周囲をグルッと回ってみました。工事で近寄れないところもあり、1周するのも結構大変でした。

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あのてっぺんから周囲を見下ろせば、あの映画の1シーンが見られるんだな? 今日Tryします。イタリアは地震が多いと聞いていますが、耐震構造になっているのだろうか? さすがにこの大理石も結構痛んでいるよう、上の赤い屋根瓦が崩れて落ちてくるなんてことはないのでしょうか?

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歴史にそれほどの価値を見出せない心貧しい中年男は、そんな歴史上の遺産よりもこんなブティックのショウウィンドウについつい目が行っていまいます。日本でイタリア製の鞄やバッグを買うと高い! それぞれ輸入業者が大きなマージンを載せるからでしょう。

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クロコダイルのビジネスバッグ、格好いいけれど、成田の税関で見つかれば没収、焼却処分になってしまうのでしょう。欲しいけれど、値段は見ないようにしておきました。多分こちらでも結構な値段だとは思うのですが。あの緑色のが欲しいな。BKKなら5万円くらいで買えるのですが・

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開店前のブティックの中に猫が。イタリアの猫? 何となく高貴な感じを持ってしまうのは日本人の悪い癖でしょうか? どうだい? 幸せかい? そう尋ねてみましたがReactionはありません。ずっとこの街にいられて、仕事をしないで済むなんて幸せな奴だな? 何となく羨ましいと云うか、嫉妬?

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午前7時半、未だ街は眼を醒ましきっていませんが、時間が経つに連れて行き交う人も増えてきます。こんな閉ざされた門戸の中はどうなっているのだろうか? 外は古くても、インテリアはすっかりリノベーションされて綺麗になっているのか? 或いは古いままなのか? 興味をそそります。

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大理石で出来ている建物と、このような煉瓦で出来ている建物、建設された時代が違うのでしょうか? それとも建てた人の懐具合によって違うのでしょうか? 確かにこんな歴史ある街中に六本木ヒルズみたいなビルが出来たら景観を損なうだろうし、きっと許可にならないのでしょう。

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さりげなく青いアルファロメオ、歴史ある街にきれいなブルーが映えて良い感じです。アルファロメオはイタリアではそれほど高くはないのだろうか? エンジンもそれほど大きくないし取り回しは楽そう、でもなかなかスポーティで、スタイルは如何にもイタリア! と云う感じです。

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グッチの博物館だって? でも別の建物にあとからグッチが入ってきたのでしょう? グッチファンの娘を連れてきたら喜ぶだろうな? などと考えていました。今回の旅行では絶対にブランド物は買わない、そう堅く心に決めてきました。後々苦しくなるのは目に見えていますから。

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こちらはシャネルのブティック、グッチはイタリアだけれどシャネルはフランスでしょう? ユーロ圏として統一され、関税がないならフランス製品をイタリアで買ったって安いはず、そう考えました。そういえばホテルの隣にはエルメスのブティックもありましたから。

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こいつには逢いたいと思っていたのですが、探すことなくさりげなく巡り会えました。ボッチチェリーノのイノシシのブロンズ像、この鼻を撫でると幸せになれると書いてありました。だからみんなが触って、鼻のところだけ綺麗に磨かれたように金色に光っています。

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僕も撫でてきました。未だ朝早いので周囲には誰もいません。「幸せにしてください。」と念じながら撫でてきました。この腕時計はパリのシャルル・ドゴール空港で衝動買いしたもの、それほど高くはなかったのですが、クオーツで3カ国分の時刻表示が出来ます。でもでかすぎてちょっと痛い。

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ちこちらはルイ・ヴィトンのブティック、有名どころは一通りあるようです。ヴィトン、ずいぶん買いました。でも自分の物は殆どなし、みんなスタッフへのプレゼントです。娘は要らないと言っていました。日本で買うのとだいぶ値段が違うのだろうか? きっと中を覗くことはないと思います。

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最高に格好いいドライビング・シューズがありました。真っ赤、クロコダイル、そしてタッセル。値札は見えませんが20-30万円くらい? 普段履きにするとソールはすぐにダメになりそうですが、車専用とすれば最高に贅沢、でも税関で没収は嫌です。

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ホテルに戻ってきました。時刻は8時過ぎ、それほど広くはないダイニングでビュッフェです。ハム、ソーセージ、チーズ、フルーツのプレートが並び、主食はパンだけ。おもむろにパンを一つ掴み、フルーツはたくさん、卵料理はその場で作ってくれるようなものはありません。

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今朝の僕の朝食です。ちょっと正直なところ物足りない? まぁ、タイやフィリピンで数多くの種類の料理をお昼が要らないくらい目一杯食べるよりは健康的なのかも知れません。フルーツはたくさん取ってきました。オレンジジュースにコーヒーを。一人ぼっちで寂しい朝食ではありますが。

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部屋でちょっと食休み後、また出掛けることにしました。そう、時間がもったいない! それほど大きくない街を一通り見て回りたいと考えていました。明後日には電車でボローニャへ移動、まず駅の様子を見に行こうと思いました。電車で移動するのが今回の旅行で一番の難関です。今日は良い天気、旅行の楽しさは天気でも左右されます。気候はちょうど良い、清々しい日です。

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実は最初に目を付けたのはこのホテル、比較的早い予約にも関わらず屋根裏部屋みたいな処しか空いていない? そんなに人気のホテルなのか? と考えていましたが、もしかしたらイエロー・モンキーは屋根裏部屋へ押し込んでおけ との指示だったのでないか? そこまで勘ぐってしまいます。こちらから願い下げです。今回泊まったホテルの方が高いし、充分満足です。

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地図を見て駅の方角は分かっていました。ホテルから歩いて10分程、遠くからすぐに分かりました。何しろフィレンツェには高層のビルがない、クアラルンプールみたいに、高層ビルの中で地下にあるような駅を探す難しさはありませんでした。切符の買い方がよく分からないのが不安です。

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駅構内には簡単にアクセス出来ます。ズラッと並んだホーム、出発を待つ電車も何本かいました。駅員さんはあまりいないみたい、何処で切符が手に入るのか? 簡単にボローニャ行きを指定できるのかどうか? 更に特急を見つけることが出来るのか? 自由席なのか指定席なのか? 全然分かりません。

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券売機がありました。VISAもAmexも使える、イタリア人はいとも簡単にチケットを買っていましたが、後ろから覗き込むとディスプレイは英語ではない、イタリア語のようです。これではどうして良いか、皆目見当がつきません。どうやら向こうには窓口もあるようだけれど。クアラルンプールでも電車には苦労しました。結局今日の処は諦めて引き上げることに、どうしよう…。

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未だ時間的余裕があるので、もう少し検討してみることにしました。しかし時刻表が分からない。取りあえずチェックアウト後に奮闘すれば良いだろう? たかが50kmくらいしかない移動、いざとなれば鈍行でも良いよ! 何とかなるさ、そんな気持ちでいました。また歩き出しました。ここはワインショップ、クリニックのスタッフにはワイン好きが大勢、ここに来たら喜ぶだろうな?

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何気に歩いていると川にぶつかりました。アルノ川? と云うことは有名なベッキオ橋に行けるかな? 結構な水流が音を立てて流れます。川の水はそれほどきれいではない、しかし向こう岸の建物が如何にも中世ヨーロッパ風、良い景色です。下流は何もなさそう、では上流に向かいますか? 少し曇ってきてしまったけれど、空気がきれい、僕は今イタリアにいます。

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遠くに何やら橋があります。二本目の橋の上には建物が乗っかっている、あれがベッキオ橋だ! 瞬時に分かりました。僕が仕入れた知識はこの橋とドゥオーモくらい。ベッキオ橋の上にはテレビでやっていたジュエリーショップが並んでいます。1kmはなさそう、川岸の店でもひやかしながら、のんびり歩いて行くことにします。

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今回の旅行のPlanningの段階で、Webで調べる中でアルノ川沿いに泊まりたかったホテルがもう2軒ありました。そのうちの一つがウェイスティン、この道を歩いて行くうちに見つけました。5階建て? もしアルノ川沿いのベランダ付きの部屋を取れたら夕方から夜にかけ、ずっと腰掛けて夜景を眺めていたでしょう。

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そしてその向かい側セント・レジス、どちらもスターウッドの系列で、僕はそのメンバーズカードを持っていたので、ポイントがつくなり、少し優遇されるなりメリットがあったはずです。だけど…、とにかくこの2軒とも高い! とても一人で贅沢する気になれないくらい高いのです。値段でまずDrop outしました。

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こんなショットも絵になってしまう、不思議な街です。タクシーを拾って移動するようなことはない、徒歩だけで充分に見て満足できそうな街です。だからあまり広くはない? もちろん隅々まで見て歩くような計画は立てていませんが、世界に名だたる街がこの程度? とも思える不思議な感覚です。建物は間違いなく年代物、数々の歴史を眺めて来たのでしょう。

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川沿いに歩いて行き、アルノ川に架かる一つ目の橋を通り過ぎたところで、次の橋が見えてきました。ベッキオ橋、「古い」と云う意味だそうですが、フィレンツェで最古の橋だそうです。Ponte Vecchio、人間の脳で延髄の真上、心臓中枢や呼吸中枢等生命維持に関わる重要な部分を橋(Pons)と云います。

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ここはフィレンツェでも有名な観光スポット、橋の両側にジュエリーショップが多数並び、人も多く集まる場所です。テレビでも楽しげなスポットとして観たことがありました。まぁ、今日この場でジュエリーを買っていこうとは思いませんが、目の保養にはなるだろうと楽しみにしていました。

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今までかつて何度かこのアルノ川が氾濫し、ベッキオ橋の上にある店の宝石が店とともに流されたということがあるのだそうです。それなら川の底を漁れば宝石が出てくる? 確かにロケーションとしては橋の上ではなくて川岸沿いの方が安全であるような気がするのですが。

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早速橋の上に行ってみました。橋の上とは思えないようなしっかりした遊歩道になっています。お店もびっしりと軒を並べます。確かにジュエリーショップ以外はなさそう、未だ時刻が早いためにあまり人は出ていません。往復してみることにしました。往きは右側の店、帰りは左側の店を観てみます。ショーケースも年代物? 雰囲気があります。

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ネックレス、リング、ピアスなど、見ていて楽しくなるようなディスプレイがたくさん、でも…、得てして値段は少し高いような印象を受けました。もちろん値札はユーロ表示、超高級品はあまりありませんが、それにしても気軽に買えそうなものはなかなかないようです。うちの女房はジュエリーをあまり欲しがらないし。

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ちょうどベッキオ橋の中央から川の下流を眺めたところ、この中央部だけ30mほどお店が途切れ、上流側、下流側ともに川が眺められるような広場になっています。ここは結構賑やか、ちょっとしたお菓子や飲み物も売っています。如何にもヨーロッパに来たと云う雰囲気に浸れます。川の流れは緩やか、やはりここでのショットも絵になります。

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ここはメンズ・ジュエリーの店? ブレスレットなんかも格好いいのがありました。でもやっぱり高い、ちょっと買おうと云う気にはなりません。リングも良いのがありました。でも僕はリングはしません。外科医は手を洗うもの、外科医は指輪をするなと研修医時代に上司から云われ、以来リングをつける習慣はなくなりました。

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橋の反対側まで歩きました。ゆっくり30分くらい掛けて。そこにジェラート屋さんがありました。種類が豊富、未だ時刻は早いので、全く手を付けられていないジェラートがたくさんあります。と云うことは、一日でこんなのが全部捌けるのでしょうか? 自家製なのでしょうか? いろいろ気になります。食べてみることにしました。どれにしようかな?

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話の種に一つもらうことにしました。オーソドックスなものをオーダーしましたが、ものすごく甘〜い、それに今日はそこそこ暑いのであっという間に溶けて垂れてきます。手がベトベトに。これ一つ平らげましたが、僕はもういいや。甘党でもあるのですが、むしろ僕はバニラアイスや抹茶アイスの方が好きです。

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また橋を戻ることにしました。これは再度橋の中央部、そこそこ人が増えてきて、もうこれくらい賑わっていました。川面を眺める人、写真を撮る人、立ったままお菓子を頬張る人、カップルも家族連れもいます。僕はただ一人、でもこの自由な時間が何にも替えがたい嬉しい時なのです。

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ジュエリーもたくさん見てきました。手作りの職人さんが魂を込めて作ったものがたくさん。恐らく一点ものばかり? それぞれ個性があり、店によって違うものばかりでした。だから値段は少し高め? しばし眺めているとアッという間に時間が過ぎていきます。川が氾濫? 大損害でしょうね?

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ふとショーケースを眺めていると、店の中からガラス越しにこの店のママさんらしき女性が僕に手招きをします。ずいぶん口説かれました。結局この店で娘に18kのピアスを買っていくことにしました。ベッキオ橋のジュエリーショップで買ってきた手作りのピアス、まぁ良いお土産にはなるでしょう。クレジットカードが使えました。

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さて、ベッキオ橋を離れ、また中心街へ向かって歩きます。バンコクやマニラのようにあちらこちらに両替所がある訳ではありませんが、さすがジュエリー街のすぐそば、1軒ありました。取りあえず大きな買い物をするときにはクレジットカードを使いますから、あまりユーロのキャッシュは要らない、覗いてみましたが交換レートは悪い!

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露天の並ぶ市場のような一画がありました。今度はクリニックのスタッフ達にお土産を。この中でシルクのショールをたくさん売っていました。覚悟を決めて店主と交渉開始、1枚いくら? もう少し安くならない? じゃぁ3枚買うから安くして? しゃぁねぇなぁ、じゃぁまとめて10枚買うよ、いくら!? てな方法で結局言い値の6割引で10枚せしめました。

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昨夜来た広場に出ました。あのメリーゴーランドのあったところ、かなり広い広場です。ホテルとこの広場を起点に頭の中の地図を整理すると、フィレンツェの街を迷わずに歩くことが出来そうです。ちょっとこの広場の端っこに座り込んで一休みしました。結構歩いてきました。そう、うっかりしました。NikeのFUELは持ってきたのに、万歩計を忘れてしまいました。

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もう午後の12時半、ドゥオーモへの最終アプローチです。街のいろいろなところからこのドゥオーモは見えます。だからそれも自分が何処にいるか? 何処へ進めば良いかのマイルストーンになります。午後になって少し暑くなってきました。朝と昼、そして夜、寒暖の差は結構あるようです・

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ここからドゥオーモのてっぺんが見えていました。新しく買った一眼レフにはもちろんズームがついています。グッと寄ってみました。ああ、もうだいぶ人が立っている、素晴らしい景色を堪能しているのでしょう。僕も後で行きます。あそこから滑ったら真っ逆さまだろうな?

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朝にもこの建物の前に来ました。この裏側がドゥオーモ、朝は全然人がいなかったのに、今はまるでお祭りのように人がごった返しています。この街ではビジネスは動いているのだろうか? みんな観光で飯を食っているのではないか? そんな風に考えました。ビジネス街と思うような処はありませんでした。さて、この裏に回り込みます。

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さぁて、ドゥオーモに向かいます。あの映画の1シーン、素晴らしい景色が見たかったのです。どうやらエレベーターはないらしい、徒歩で昇っていくようです。天気はなかなかの晴天、心弾ませて歩いて行きました。ショルダーバッグにはこの日のためのカメラ、いっぱい写真を撮るつもりです。高層ビルのない街、周りに視界を遮るものはないはず、ただ息切れが心配ではありましたが。

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中に入るとこんな感じ、正式名はサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、1296年から140年もの年月をかけて出来上がった建物だそうです。フィレンツェのシンボル的な建物、ローマ・カトリックの建築としては当時最大のもの、高さは107m、石積み建築のドームとしては現在でも未だに世界最大なのだそうです。永い歴史を見続けてきた建物、心洗われます。

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ドームの真下、下から見上げます。初期ルネッサンス建築の代表、ドームの内側には装飾の絵がビッシリ、描いた絵を持ち上げたのだろうか? もしかして逆さに宙づりになって絵を描いたのだろうか? そんなことを考えました。中は何となくヒンヤリ、歴史の重みに自分自身が潰されるような、そんな感覚に陥ります。

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更に進むと中は更にひんやり、外はそこそこの暑さではありますが、歴史の重みがそうするのか、かなり涼しく感じます。ここが大聖堂の心臓部? 礼拝をする人が座るのであろう椅子が並び、正面に十字架に掛けられたキリストの姿が見られます。神聖な場所、当家は仏教徒(それも僕自身は非常に不熱心な)だけど、僕みたいな俗人を拒むよう。

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実は上に昇る入り口をずいぶん探したのです。どうしても見つからない、ここのスタッフらしき人に尋ねました。「キューポラに昇りたいのだけれど、入り口は何処にあるの?」って。そうしたら一度外に出て、外に入り口があるんだって。指示された方向に歩いて行きました。何やら入り口らしきところがありました。いくら中を探してもないはずだ。

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邦貨ににして千円くらいの入場料が必要です。入場制限をしているのか? しばらく1時間くらいはここで待つようにと指示を受けました。まぁ、別に急ぐ旅ではない、しゃがんで待っていたらものの5分で入れと言われました。英語を聞き違えたのでしょうか?

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ウワ〜、狭! 階段はそれほど急ではなく、昇っていくのに辛いわけではありませんでした。しかしどれくらい歩かなくてはならないのかが判らず、何を考えるでもなく、黙々と階段を昇って行きました。作るの大変だっただろうな(この時点で140年かかったとは知らなかった)?

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時々踊り場みたいなところがあって、こんな像が置かれていました。恐らくこれ1体を作るのに一人、若しくは数人の人が永い時間をかけているのでしょう。そうすると一体何人の人がこの建物に関与していたのか? その間に時代の変遷もあったでしょう、戦争もあったでしょう。

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だいぶ昇ってきました。途中、通路がバルコニーのようになっていてドームの裏側が至近距離で見ることが出来ます。もの凄く繊細な絵、旧約聖書の天地創造に始まってキリストの生涯、洗礼者ヨハネの生涯までを描いたものなのだそうです。大勢の画家が描いたであろうに、タッチは同じよう。

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下を見下ろすと、ちょっと背中がゾクッとするような高さ、高所恐怖症でもある僕にはあまり手すりのギリギリまで行くのは怖いよう。もうだいぶ高いところまで上がってきました。ここまで来ればもう少しだろうと、近づいて来たゴールを期待します。キューポラを半周して更に上へ。

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時々こんな窓があって自分がどれくらい昇ってきたのか、見当が付きます。廻りに同じ高さの建物はもうない、廻りも狭い窓から良く見渡せます。今日で良かった、もし60歳を過ぎていたらこんな処には昇って来れないだろうと考えました。と言うことは今日が最初で最後

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時々降りてくる人とすれ違います。こんな狭い通路では降りてくる人が通り過ぎるまで踊り場で待っていなければなりません。昇り優先ではないみたい。そろそろ顎が上がってきました。日頃の運動不足が祟っているよう、もう全身にうっすらと汗が滲み出てきています。

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アチャ〜、この上まだこんなに階段がある…、ここで少し考え込みました。もう戻ろうかな? 息切れも結構辛い。しかし…、今ここで折り返したら一生後悔するだろうな? 上の方は少し明るいようだし、もういい加減ゴールは間近だろう、歯を食いしばって昇って行きました。

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最後になかなか人が出入りする狭い出入り口を昇れませんでしたが、そこを通過してやっとゴール! ドゥオーモの頂上に到着しました。素晴らしい景色!! 映画の1シーンです。しばらくベンチに座り込んで息を整えました。たくさん写真を撮らなければならないけれど、少し休憩します。

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フィレンツェの街が360度一望です。こうしてみると街は結構広い、僕が足で歩いていたのは恐らく街のほんの一部であることが判ります。まぁ隅々まで見て歩かなくてはならない訳ではない、ひとまずこのベランダをゆっくり反時計回りに歩いて廻ってみました。昇ってくるのに25分かかりました。

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周囲の屋根は赤ばかり、遠い昔から統制されていたのでしょうか? 緑や黒があっても良さそうなもの。建物は整然と並び、その間を道が真っ直ぐに貫いています。どれだけの人が生活を営んでいるのだろうか? 夜景も綺麗そうだけれど、あいにく夜間はここに立ち入ることは出来ません。

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小さなキューポラも下に見下ろすようにありました。かれこれ約1時間、この上でウロウロしていました。せっかくあれだけ苦労して昇ってきたのだからもったいない。そう、フィレンツェに来たのはこの景色が見たかったからに他なりません。それに降りるのも辛そうだし。

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真下にはかなりの人がいます。ドームの丸い部分は下に行くほど角度が急になっています。滑り台のように滑っていったら真っ逆さまに下まで行くんだろうな? でもこの素晴らしい景色に見とれ、高所恐怖症の病は一休みしてくれているようです。涼しい風が少し吹いていました。

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廻りはグループやカップルで来ている人が殆ど、一人で来ている奴なんて殆どいないみたい。でも見知らぬイタリア人らしき人に頼んで写真を撮ってもらいました。そうだ、来年の年賀状はこの写真にしよう。後に日本人カップルの写真も撮ってあげました。顔にはうっすら汗が……。

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出入り口はこんな小さな1箇所だけ、地震でも来たらパニックではないか? 帰るときはここに10人くらい並んでいて、昇ってくる10人くらいが途切れるのを待ってから降りて行きます。あまり大勢上がってくると、このベランダが満員になってしまうのではないか? そんな心配もしました。

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1時間くらい景色を眺めて、惜しみながら降りていくことにしました。もう来ることはないだろう…、そう思うと良い経験をしました。上で50枚くらい写真を撮影しました。意外にも降りる方は比較的楽、昇ってくる人を待ってあげる気持ちの余裕もありました。待っているとお礼を言われます。

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途中の壁に落書きが。日本語もありました。こんな世界的文化遺産に落書きなんかして良いの? 日本語が書いてあることにもちょっと腹立たしい思い。帰りは意外にも早く、15分とかからずに降りてきました。喉が渇いたし、お腹も空いてきました。下に降りたらランチにしよう。

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無事に地上階に到着、この旅行の中の大きなイベントを1つ終えました。もう充分景色を眺めたし、写真は目一杯撮影してきたし、思い残すことはありません。もし再度フィレンツェを訪れても、ドゥオーモに昇ることはないでしょう。生涯に1回だけで結構です。餌場を探すことにします。

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喉が乾いた、ひとまず何か飲もう。近くのカフェに入りました。…、しまった、コーヒーでもアイスって言うの忘れた。この暑い中でホットコーヒーも辛い物があります。ちょっとだけ口を付けてここを出ました。ランチはどうしよう? 今度はビザにするかな?

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道ばたのオープンカフェに座り込みました。取りあえずコーラをください、未だ喉の渇きは収まっていませんでした。街にはこんなカフェがたくさん、しかしコーヒーは思いの外高いのです。日本より物価は高い? ドゥオーモの往復、かなり疲れました。もうあまり歩けないかも。

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サラミのピザを頼みました。メニューに他の食べ物も書いてあったけれど、何かよく判らない、結局僕はピザかパスタくらいしか頼めないみたい。ピザは本場とは云えそれほど美味しい物ではありませんでした。ドミノピザの方が美味しいかも。しかしボリュームは結構あって持て余しました。

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しばしこの席でまどろんでいるとにわか雨が、ザーッと結構な勢いで降ってきました。とても傘なしでは歩いて行けないような勢いでした。だけど15分程で止みました。このまま降り続いたらどうしようか? と思っていたのですが、通り雨だったようです。すぐに陽が差し始めました。

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また当てもなく歩き始めました。雨はすっかり止んで、こんな青空が広がっています。今回は地図を
持っていますが、もうこれ以上何処に行きたいと云う目的もないし、ドゥオーモの上り下りで今日1日の体力は使い果たしたみたい、何となく建物やブティックを見て彷徨うように歩きました。

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でも目的もなく見知らぬ街を歩くのも結構楽しいもの、疲れてはいますが、歩いて見物する探究心は未だ削がれてはいません。どうやらタクシーを拾ってまでの観光をする気力はなし、行く当てもないし、ここに来たことがあるのかないのかも判然としないままほっつき歩いていました。

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結局またここに辿り着きました。もう良いよ! フィレンツェはドゥオーモとベッキオ橋だけでいいや! そんな結論に達しました。もったいないのかも知れないけれど、そんな気持ちになるくらい疲れてしまいました。もう一度店を見て歩くけれどジュエリーの買い物はしない! そう決心しました。

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どうやらイノシシはこの街のシンボルなのか? イノシシの置物が数点ありましたが、これも結構な値段のするもの、別に買うつもりはありません。ここは恐らくシルバーの店? 他にも格好いいアクセサリーがありますが、値段を見ると食指は動きません。

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ベッキオ橋の上の店には腕時計を売る店も多々あるようです。ここはフランク・ミューラーの品揃えの多い店、トノカーベックス、ロングアイランド、マスタースクエア、一通りありました。ディスカウントはないんだろうな? 時計は日本が一番買いやすいと思います。

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婦人物のブティック、スタッフにはシルクを人数分プラスα、買い入れました。女房には何を買っていくか? いつも悩みます。何を買ってやってもあまり喜ばない、それも男として張り合いのないものです。息子達にはポロシャツやニットを買うつもりです。明日、家族の物はまとめ買いします。

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靴は何か自分のために買っていきたい、そう考えていました。靴を売る店はかなり多いようです。でもイタリア製の靴は雨に濡れると一発でダメになる、そんな印象を持っています。確かに履き心地は良い、格好も良い、型押しクロコダイル風と云うのが多いような印象を持ちました。

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またベッキオ橋の中央、同じ処をウロウロ廻っているようです。そろそろ陽も傾いてきました。ずいぶん歩きました。実はスニーカーではなく革靴を履いているのです。ちょっと失敗したかも。だいぶ歩き疲れ、歩く気力もだいぶ少なくなってきました。ずいぶん街は堪能しましたよ。

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そろそろ夕食の時刻、ふと思いました。ビールで本場の生ハムが食べたい、しかし宛てはありませんでした。ふらふら歩く内にこんな店を見つけました、ワインバー、店のショーケースに美味しそうな生ハムが並んでいます。ワインで行こうか? この店はワインバーだし、主役は生ハムなのだから。店の中は結構混んでいました。座れない?

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でも計ったようにこんな席が店の外に空いていました。それもいすが一つだけ。おもむろにここに座って店のスタッフを呼びました。ハムが食べたい、そしてお店のお薦めのワインを、とオーダーしました。少し野菜をつけて、スタッフからオリーブもどうだい? とのこと、スタッフはものすごくにこやかでした。

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と云うことで今夜の僕のディナーはこんなメニューになりました。ワインはお店のお薦めに任せました。結構アルコール度の高い、のどにグッと来るような赤ワイン、そして少し厚めにカットされたかなり大振りの生ハム、そして生野菜と種類の違うオリーブが数個、かなりのダイエットになりそうです。

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正直なところ、ワインはあまり得意ではない僕にはちょっときつめ、無理して2杯飲みましたが、結構な勢いで身体に染みこんできました。生ハムは歯ごたえがあってこくも充分、日本でもっと小さいピースで食べる生ハムに比べて食べ応えのあるものでした。少しパンももらいました。

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結構フラフラ来ました。お腹も八分目でこれで良しとしました。ビールの方が良かったかな? 今日一日、歩きづくめで、ドゥオーモに昇るのにかなり体力も使ったし、充実した一日になりました。そして少し抑え気味のディナー、健康的な一日でもありました。ホテルに戻って一寝入りすることに。

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小一時間ベッドで横になって、その後また街にフラフラと出て行きました。結構良い気分でした。夜の街歩きでは食事はなし、何となく一人で入りやすい店はこの街には少ないような気がしました。夜のラーメンなんて店も全くないし。今日一日、徒歩で観光三昧、明日はブティック三昧かな?