第2日目、 昨日は殆ど移動のみ、半年ぶりのマニラの街歩きをしてみました。ちっとも変わらない街、むしろ懐かしさをちょっと感じました。この据えた匂い、大好きです。そして本日、初めての地、ボラカイ島に移動します。決してマニラから遠くはない。飛行機で1時間、そしてバイクタクシーで5分、船で20分、更にバイクタクシーで20分走れば本日の寝床のホテルに到着予定。飛行機は午後1時発、そして約2時間後には目の前は真っ青な海、そんな計画です。さぁ! 前から行ってみたかった憧れの地へ向かいます!!
気分良く目が醒めました。昨日は移動だけ、今日はボラカイ島へ移動します。窓からの景色を眺め、未だ半分眠っている身体を揺さぶり起こします。まぁまぁの天気、見慣れた景色も新鮮に写ります。半年ぶりのマニラでした。しかし今回のマニラは通過点、荷解きは殆どしていません。
実はこのホテルには朝食付きで頼んだつもりでした。しかし昨日フロントで朝食は付いていないって? これがフィリピンのいい加減なところ、追加料金は5千円? ハイアットの朝食ビュッフェは最高ですが5千円の価値はない! 外で食べるから良いよ! って断りました。楽しみの一つが不意に。
そのままタクシーで空港へ向かいます。ホテルから薦められた高い送迎を断り、フロントで流しのタクシーを拾いました。ホテルのスタッフがドライバーにメーターで走れと指示し、ゲストにはカードを渡してトラブルがあればこのカードで知らせるように指示します。トローリーはトランクに入れます。
ドライバーは如何にも悪そうなスキンヘッド、しかも足下はゴム草履、ちょっと不安になります。今日のフライトはフィリピン航空でありながらTerminal 3、世界で最悪と評されるTerminal1は外国の航空会社、Terminal 2はフィリピン航空専用、Terminal3は他の国内線専用なのですが。
何回もTerminal 3であることをドライバーに確認しました。時間的余裕はありますが、間違えられるとかなり時間のロスになります。しかも僕はTerminal 3が初めて、恐らく中で戸惑うであろうことは予測していました。取りあえずメーターは動いています。
見慣れない道を走り、不安ながらも取りあえず空港が近づいてきたようです。ドライバーも見た目ほど悪い奴ではなかったよう、あまり話しは弾みませんでしたが、渋滞することも殆どなく、20-30分くらいで空港に着きました。料金は400円ほど、チップを少し上乗せすると喜んでいました。
空港までホテルタクシーを頼むと2000円近く、例のクライスラーの送迎車を頼むと6000円近く、それが流しのタクシーを使うとチップを含めても5-600円で済んでしまうのです。もうそこそこマニラの料金体系を経験してきた賜物、多少のリスクはありますが、あまり無駄遣いはしません。
初めて来る空港、実はチェックインはとても並ぶ気にならないほどの混雑でした。そこでこれまた経験から得たちょっとしたテクニック、如何にも困った顔をして空港職員に入り方を尋ねるのです。すると彼らの権限で割り込ませてくれます。但し成功の暁にはタクシー代以上のチップが必要です。
恐らく1時間以上かかるチェックインを15分で終了、ホテルタクシーを使うよりも安い支払いで相当な時間を節約、決して褒められたやり方ではありませんが、やはり日本人は歓迎されるのは事実です。搭乗まで未だ時間があり、ここで朝食。ポークのスペアリブ丼、約500円です。安くはありません。
国内線と言えどもかなり広大な空港施設、結構歩いて搭乗待合室まで来ました。それもここまでの道のりは先ほどのチップを渡した空港職員から詳しいレクチャーを受けています。1時間並んで説明なしでここまでまともに来られたかどうか? そう思えば結果的にわずかなチップは充分価値あり。
このTerminal 3からかなりのフィリピン航空の便数があることが判ります。施設内のアナウンスはすごく早口で、hearingの苦手な僕にはなかなか理解しにくいところ、だから表示される案内ボードを充分に注視します。経験的に時間や搭乗口が直前に変更されるなんてざらにあることですから。
目的地であるカティクラン行きの便は1日10便もあるようです。そんなに行く人が多いのだろうか? しかし覚悟は出来ています。ボラカイへのアクセスにはすごいちんけな飛行機が使われていることに。恐らくは小さな飛行機(プロペラ機?)で、一度に載れる人数もごく僅かだと情報を掴んでいます。
どうやらこの搭乗口からバスで飛行機に向かうみたい。僕の飛行機はこの搭乗口から3番目の順番になっていますが、時間的にどう考えても定刻の出発は無理そう、それに突然の搭乗口の変更がないか心配です。結局スタッフに5-6回確認するとことに。しかし返事はいつも「座って待っていろ。」
聞くところによるとそこそこのDelayがあるとのこと? Few minutes? Fewと言うのは僕の解釈では2-3分のこと、しかしフィリピン人にとっては30分や1時間の遅れもFewと表現するようです。イライラは募るばかり、PALとはPhilippine Air LinesではなくPlane Always Lateの略なのです。
少し時間を持て余したのとイライラで空腹を感じてきました。さっきスペアリブ丼を食べたばかりでしたが、すぐ後ろのスタンドでチーズバーガーを頬張りました。肉はパサパサの酷いものでしたが、マフィンとソースの味付けはなかなかでした。食べている間も搭乗口の人の動きに注視しています。
おかしい……、僕の飛行機より後のフライトの乗客が並び始めました。じゃぁ僕の便はどうなったの? もしかして乗り過ごした? 少し焦りました。スタッフに尋ねるとまた待っていろとの返事。これで万が一フライトを逃してもスタッフは責任を取ってはくれまい、旅行はメチャメチャになります。
アナウンスではなく、人の動きで察知しました。案の定……、案の定搭乗口は隣に変更になりました。再三スタッフにチケットを見せてこの列で良い旨を確認しました。もうイライラは頂点に。もしフィリピンがいい加減な国であることを認識していない乗客ならこのフライトを乗り過ごしてるところです。
隣の搭乗口にあったこのボードは僕がチーズバーガーを食べている間にこちらに移動していました。恐らくアナウンスはあったのだろうけれど、この喧噪の中、早口のアナウンスを聞き取れるほどの英語力は僕にはありません。ようやくホッとしたところで急に疲労感が出てきました。結構クタクタ…。
バスに乗った乗客の数を見てこれだけ? と思いました。よほど小さな飛行機か? 搭乗の際の不安が解消したところでまた別の不安が湧き上がってきます。しかも隣に座っているイスラム系の3人組、何か怪しい……、タグのついた預け入れるはずの荷物が何故か手元にあり、スタッフともめています。
やっぱり……、カティクラン行きの飛行機はちんけな見たこともないプロペラ機でした。これどこ製? プロペラ機に乗るのは恐らく小学校3年生のときに四国へ行ったYS-11とフレンドシップ機以来? 確かにWebで見た飛行機もセスナ機に毛の生えたようなものでした。
イスラム系のこいつの荷物にはタグがついていて、本来は預けるものだったはず、それをCAともめながら、結局そのタグを外して機内に持ち込むことになりました。そのトローリーを開けて確認しなくて良いのか? ピストルでも入っているんじゃないか? イライラでそんなことまで不安になります。
おい!プロペラに手をかけるなよ!! もう僕の頭は完全に非常事態モードになっているようです。プロペラ機はジェット機より非常時の操作は容易だとは聞いていました。そう、傷害保険に入っているから落ちても構わない、でもハイジャック犯に撃たれて死ぬのは嫌です。多分生命保険が降りない?
飛行機に乗り込みます。昇っているタラップは今までに経験がないくらい低い、短い。僅か1時間ほどのフライトではありますが、搭乗手続きからもう既にストレスが溜まりっぱなしです。恐らくほぼ50年ぶりのプロペラ機、それも高翼の飛行機なんてのは初めてです。
座席は前から3列目、しかも狭い……。息が苦しくなりそうです。どうやらビジネス席はなさそう、しかも荷物を膝の上に載せたままの着席となりました。隣にはもう女性が座っていて、今更上の棚に荷物を入れるのも厳しそう。CAの説明が始まりますが、全く意味が分かりません。
別のCAが僕の膝の上の荷物を見て前の席に置くように指示をしました。結局シートベルトを締めてこんな状態に。じゃあさっきのイスラム系の奴らの荷物はどうしたの? とてもじゃないけれど上の棚には入りそうもないし、もちろん足下にも置くようなスペースは全くないはず。
飛行機はDHCと言う奴らしい、何処製? 少なくもボーイングやダグラスではなさそう、エアバスでもない? もしかしたらブラジルのボンバルディアか? まぁいずれにせよ、今まで落ちることなく生き延びているのだから、僕を乗せても飛んでくれるだろう、何やら思考回路はショート気味でした。
こちらを向いている座席は恐らくスタッフ用だろう。僕は前から3列目、その前には殆ど客はいないようです。アメックスで飛行機を予約したため、このPALになりましたが、他にセブ・パシフィックでもこの航路はあるみたい、やはりボラカイへのアクセスは通常とは違うようです。
後ろを見てみました。短い……、まるでバスの車内……。ざっと乗客の数を数えてみましたが40名まで行かない、30数名です。今までの慌ただしさと窮屈な座席で気分は最悪、しかしボラカイはそれくらいアクセスが悪いことは重々承知していたのですが。それに乗り馴れない飛行機、嫌なものです。
おかしい……、右のプロペラは廻っているのに左は廻っていない。まさか操縦席で「エンジンが廻らない。」って焦っているんじゃないだろうな? 気分的に参ってきました。やはり憧れの地への旅程は厳しいのか? エルニドにもいずれは行きたいのだけれど、恐らくもっと不安な気持ちになるだろうな?
ようやく左のプロペラも廻り始めました。時計方向に廻っているようだけれど、回転が逆ってことはないよな? 吸気口がプロペラの下にあるけれど、もっと他の場所にあった方が吸入効率は良いんじゃないか? 余計なことばかり気になって疲れてきました。やはりボラカイは気持ちの上でも遠い……。
滑走路に出てきました。すると全日空のB-787が着陸してきました。全日空はTerminal 3に着く? それならばあの世界最悪と言われたTermnal 1と決別出来る? 全日空には僕のポイントとしてマイレージに移行出来るのですが、なかなかJALと違って希望の飛行機を取りにくいと聞いています。
おお〜! 結構な加速、背中にGを感じます。もちろん、ジェット機よりは短い滑走で、おおぅ、浮いた、浮いた。しかし上昇して行く力も慣れたジェット機よりはだいぶ貧弱な感じで、ストンと落ちてしまいそうな危うさを感じます。しかもいっちょまえに方向を変える時は結構機体が傾きます。
大きく旋回しながら海を目指します。飛行機もバイクも傾けないと曲がらないことを知ってはいますが、「いいよ、無理して傾けなくて!」と言う気分になってきます。マニラの街を上空から眺めながら、一路楽園へと向かいます。とにかくここまでで気疲れしました。この先どうなることやら。
マニラ湾上空、ダイヤモンドホテルは見つけました。しかし隣にある黄色いハイアットは見つからない、昨夜はあの辺をウロウロしていたんだな? どうやら飛行も安定し始め、僕の気持ちも安定飛行に入りました。飛行機はあまり揺れずに、エンジンの音もそれほど苦しそうでなく落ち着きました。
メトロマニラ(マニラ首都圏)の背後にはタール湖と言う大きな湖があります。少し南に行くとマニラのあるルソン島は腰がくびれ、海と海の間の陸地は非常に狭くなります。フィリピン最大の島と言ってもその大きさはたかが知れています。やはり島から島への移動は遠ければ飛行機しかありません。
新幹線で と言う訳には行かないでしょう。ルソン島の最南端に来ました。と言うことは右側の座席に座っていたら2年前に行ったバタンガスやプエルトガレラが見えたでしょう。残念! ルソン島の隣、ミンドロ島はフィリピンで5番目に大きい島、しかしその隣はもう目指すボラカイ島になります。
ってことはそれほど遠くない? 船でも行けないことはなさそうです。マニラからセブ島まで船で24時間と聞きました。てことは、ほぼ半日でボラカイ島へ行けるのか? やはりそんなに遠くないね? 予定を決めずに気軽にフィリピン内を船でアイランド・ホッピングするのが僕の夢なのです。
ボラカイが近づくに連れ、少し雲が多くなってきました。マニラもセブも雨で良い、だけどボラカイでは晴れて欲しいです。今は恐らくこちらも雨期、昨年のスービックのようにはなって欲しくないです。ボラカイでずっと雨だったら、一番の目的である「青い海を見に行く」が不意になります。
高度がだいぶ下がってきました。さっきボラカイ島の地形のように見えた島は違ったみたい。この島も周りは結構青いけれどボラカイではないようです。少し雲が薄くなったり、そんなことで一喜一憂します。もしずっと雨だったら? かなり計画が違ってきてしまいます。レンタルバイクも無理?
ありゃ? この島に着陸? そんな高度になって来ました。じゃぁボラカイ島はこの島の向こう側? 空港からトライシクルで5分、その港からボートに乗って20分、そしてボラカイ島の港からホテルまで車で20分くらいと聞いています。足を濡らさないと上陸できない島? そう聞いていますが……。
どうやらボラカイ島が見つからないまま着陸のようです。一応ホテルのスタッフが迎えにきてくれることになっていますが、その前に空港でこのカティクラン空港からセブ島マクタン空港までのチケットを自分で買わなければなりません。「そんな飛行機はない。」なんて言われないでしょうか?
殆ど揺れることなく順調に来ました。結局そんなに遅れることなく到着しました。お天気はなかなか、期待出来そうです。如何にも田舎の飛行場と言う感じ、むしろ風情があります。結局フィリピンの飛行機はまるでバスに乗る感覚で乗れるようです。これから次のバスも予約をしなくちゃ。
プロペラ機だから逆噴射はないはず、ジェット機とそれほど変わらない感覚のスピードで着陸しましたが、結構強力なブレーキが利きます。取りあえず落ちないでここまで来た? 確かにフィリピン国内で船の事故は良く聞きますが、飛行機の事故は殆ど聞いたことがありません。ミサイルもないだろう?
疑ってゴメンね? ご苦労様でした。きっとこんな飛行機が何百機もフィリピン国内を飛んでいるのだろう? 日本も島国ですが、フィリピンほど島の数は多くないはず、船も頻繁に行き来しているようです。プエルトガレラ〜バタンガス間の船の事故は二度ほど日本の新聞で読んだことがあります。
如何にも南国の飛行場、素朴です。タラップを降りて徒歩で空港のターミナルの建物まで行きます。建物も我がクリニックより小さそう。ここカティクランは別の島であって、ボラカイ島ではありません。しかしボラカイ空港とよばれるようです。ボーディングパスにはカティクラン行きとなっています。
さすがに乗客は少ない、荷物はすぐに出てきました。しかし、送迎に来ると言うホテルスタッフは見当たりません。先に気になるカティクランからセブまでのエアー・チケットを買ってしまおう、気が急くままホテルのスタッフを特に一生懸命探すことなく、すぐにターミナルの建物を出ました。
特に下調べをしている訳ではありません。多分セブ・パシフィックなら飛んでいるだろう、そんな程度の考えで今回の旅行は計画しているのです。ダメだったら何とでも変更するよ、そんなスタンスです。空港スタッフからこちらにセブ・パシフィックのカウンターがある旨聞いてきました。
外に出るとやっぱり素朴な街、何故かホッとします。黄色い看板、ありました。中に入ると、やはりセブ行きが飛んでいるって。だけど時刻が朝の7時と9時と午後5時? 午後1時とか2時はないの? 船で渡る手前朝早いと困る、結局夕方の飛行機を取りました。そこへ送迎のホテルスタッフが。
ゴメ〜ン、探したけれどいなかったから先にチケットを買いに来たと言い訳しました。彼は僕が出て行くのを見ていたって。チケットを買うことは前もって言ってあったはずですが、彼を待たせるのは何とも申し訳ない、しかもチケットの支払いをクレジットでするのに空港の中に行かないと出来ない?
また空港の中に入る時のボディチェックがフィリピン流で厳しい! それも2回も。別に飛行機に乗る訳ではなく、クレジットで支払いをするだけなのだから。結局ベルトまで外して汗だくでした。でもチケットは手に入りました! 今の僕には送迎よりチケット入手が大事? これでPlanning完成!
彼には散々謝りました。本当にゴメンね、待たせて。彼にはチップをだいぶ弾みました。もうトランクは支払いの間に車に積んでもらい、手荷物は彼が持ってくれました。重いよ? だってトランクが重いと別料金を余分に取られるから。トライシクルで5分走るのではなく、車で送迎だそうです。
彼の運転する日本製のバンで移動です。ボラカイ島に入るにはここカティクラン空港からバイクタクシーで港まで5分、もしくは別のカリボ空港に降り立つとジプニーで2時間もかかるとのことです。飛行機を取る上でカリボ空港ではなくカティクラン空港に着くよう散々念を押してオーダーしました。
それにバイクタクシーに乗ると入港税や船賃など、更に訳の分からないお金がずいぶんかかるとWebの旅行記に書いてありました。バタンガスからプエルトガレラに渡ったときの状況を鑑みれば、いとも容易にその修羅場の想像がつきます。だけど今日はこのホテルスタッフに任せれば全てOK?
公共の港と聞いていましたが、そうではなく、ちょっと小洒落たボートハウスに着きました。それにお金を要求されることもない、ちょっとホッとしました。結局ここからボートに乗ることになるのですが、何とホテル専用の施設のようです。それにスタッフ曰く、特別な客の為の専用の船?
港はここから左に少し行った処にあるようですが、砂浜を歩いて行くとそこそこ大きなバンカー・ボートが。トローリーを持つスタッフ、そしてドライバー兼案内役のホテルスタッフ、更に船のスタッフがドライバーと他に二人ほど。船は僕専用だそうです。こんなに大勢を待たせてしまった?
僕が乗り込むとすぐに船のエンジンがかかり、船は後退し始めました。結局船には僕以外に5人、みんな微笑みでホテルの客を迎えてくれます。ガイドの彼が詳しく説明してくれます。この船で20分、そしてそこからまた車で20分でホテルに到着だそうです。複雑なはずの航海がいとも簡単に。
未だ海の水はそれほど青くない? しかし穏やかなお天気と相まって、海もまるで初めてこの地に入る新たな来訪者を迎えてくれるような穏やかさで佇んでいました。恐らくは30−40人は楽々乗れそうな船、それを僕専用だなどと云われると、さすがに恐縮してしまいます。
恐らくバタバタとバイタクに乗って港に着き、どれに乗れば良いか、船を探すのにもオロオロするような状況を予測していただけに、この豪華な送迎には腰を抜かしました。恐らくは島に上がってからもバイタクではなく、同じような送迎車でホテルまで迎えてくれるであろうことは想像がつきます。
元々向こう岸が見えていた島と島の間、予定通り約20分で船は港の端に着岸、またスタッフが荷物を持ってくれて、僕は全くの手ぶらで船を降ります。こんな送迎があるならボラカイ島は決してアクセスが悪くない、拍子抜けと云うか、ちょっと持っていた冒険心に肩透かしを喰らったような気持ちでした。
上陸してからもやはり日本製のバンがスタンバイ、それに乗ってドライバーが運転席に座り、あまり話が弾まないまま車は走り出しました。やっぱり田舎? スービックと同じような雰囲気の道が続きます。恐らく繁華街はかなり栄えているはず、一方でこの辺は正にNative Filippineでした。
確か、ボラカイ島の西側に伸びるホワイトビーチに平行してメイン・ストリートが走っているはず、しかしいくら走ってもそのような賑やかな通りには出ません。ちょっと心配になってドライバーに尋ねました。まさかこれがメイン・ストリートではないだろうね? って。すると……。
メイン・ストリートはかなりの渋滞があるそうな? それを避けてShort cutの状態で車を進めているとのこと、ホッとしたような、そのメイン・ストリートが見られないことにがっかりしたような複雑な気持ち、ホテルはビーチの端っこ、どれくらいの距離があるのか知りたかったのですが。
結局、賑やかなところは殆ど通らずにやがてホテルに到着しました。未だ素晴らしいビーチは見ていない、ホテルの敷地は結構広く、車のまま中に入り、車寄せの処でこのバンを降りました。その場で貝殻のレイを首からかけられ、立ったままWelcomeDrink、そしてフロントに寄ることなく直接部屋へ。
ホテルはビルではなく、コテージがいくつも寄り添うような造り、僕の部屋は高台にあり、椰子の木越しにどうやら青そうな海がチラッとだけ見えました。受付スタッフの女性がそのまま中に入ってきて、書類にサインを。そして部屋の中を少し説明してくれました。だだっ広い! そしてきれいです。
このコテージからビーチやレストラン、レセプションに行くには高台からそこそこ急な階段を降りていくよう、下にもコテージがありますが、今回は少し贅沢をしてバスタブ付きの部屋をオーダーしました。それ故、この高台になった様子。広いベランダがあり、ここでものんびり出来そうな雰囲気です。
部屋の中はこんな感じ、如何にも南国風の造りでベッドはキングサイズ、大型のエアコンもバッチリ効いていてだいぶ涼しくなっています。冷蔵庫、セーフティボックスはちゃんとついていて、セキュリティは良さそう。床は木製のフローリングで、裸足でも大丈夫そうです。ベッドの寝心地も良さそう。
ゆったりとした応接セットも2つ置かれ、円形に広い部屋では10人くらいのパーティなら楽々こなせそう。何故か昼寝用? の小さなベッドがもう一つあり、スイート並みの広さでした。一方で反対側にはデスクもあり、パソコンでの作業は楽々こなせそう、なかなかの部屋を充てがってもらったようです。
更に気になるバスルームは部屋の奥にあり、リビングの半分くらいある、これまただだっ広い部屋でした。バスタブ付きどころかジャグジーとなっていました。炎天下のビーチで目一杯日焼けした後、ややぬるめのジャグジーでブクブクやったら気持ち良さそう、予想以上の部屋でした。
柱の向こう側がシャワー、ブースにはなっておらず、開放感たっぷりのシャワーです。トイレは左奥にあります。部屋全体が丸く作られており、その2/3がベッドルーム兼リビングルーム、残り1/3がバスルームになっていて、使い勝手はかなり良さそう、快適な3泊が過ごせそうです。
スタッフのレクチャーが終わり、彼女が出て行った後にしばしベッドで転がっていました。遠くまで来たな♫ 昨日はマニラに1泊だけしましたが、ここでようやく落ち着けると云う安堵感がありました。そう、24+6時間前は僕は診察室に座って仕事をしていた? ウソのようです。
さて今はもう夕方、早速ビーチに出てみることにしました。部屋の出入口はこんな感じ、この左側に籐で出来たリビングセットがあり、ここでもゆったり出来そうです。夜出てくれば星が綺麗ではないだろうか? 夜中にiPodで音楽を聴きながらここに転がっているのも良さそうです。
あいにく海は高い木の後ろ側にちょっとしか見えない、でも確かに青そうな海面がわずかに覗きます。今はもうあまり暑くはない、ボロシャツに長いパンツではありますが、それで調度良い温度、海辺でありながら湿度はそんなになさそうで、少なくも東京よりははるかに過ごしやすいです。
この1階部分が僕の部屋、恐らく同じ間取りであろう2階は別の部屋となりますが、どうやらこのバスタブ付きコテージが4棟8部屋ほど? 電気がついていて宿泊客がいそうなのはもう一部屋だけです。さて鍵を締め、階段を降りて行きます。そう、そのままビーチに出て、繁華街方面に行ってしまおう。
かなり急な階段を降りて下に来ました。熱帯植物が生い茂り、足元は正にビーチの白い砂。きっとホテルが出来る前はかなり奥行きのある広いビーチだったのか? 木々の間から海面が見えますが、階段を降り切ったところから水辺まで約100mくらい、如何にも南国に来たと云う実感が湧いてきます。
右にあるレセプション、レストラン兼バーを通りすぎて、ビーチまでやって来ました。あいにくもう日暮れ、そして雲も少し垂れ込めているのですが、間違いなく海は青い! 波は穏やかで、恐らくはプライベート・ビーチ状態になっている砂浜にはあまり人はいません。
こちらが東側、こちら方面に長いビーチが続き、恐らくは繁華街に続くはずです。でも地図上の検索では繁華街まで2km? まぁのんびり歩くものも良いけれど、時間が惜しくなればそのまますぐ裏のメイン・ストリートに行ってバイタクでも拾えばものの5分でその繁華街に着くはずです。
ホテルの目の前のホワイトビーチ、ホテルのゲスト専用のビーチチェアが並びます。明日、天気が良ければここに転がって音楽でも聴こう、そんな計画を立てています。ホテルスタッフがビーチに常駐し、ドリンクやスナックなどをオーダーすれば持って来てくれるようです。正にプライベートビーチ。
ホワイトビーチの西端から繁華街ヘ向かって歩いてみることにしました。足元はスニーカー、ゴム草履ではないので海の中に入ることは出来ませんが、むしろ長距離を歩いても大丈夫、終点まではだいぶ距離がありそうなので、行けるところまで行き、ダメならメインストリートでバイタクを拾います。
天気は何となく怪しく、更に陽も傾き始めたので、残念ながら真っ青な海とは行かないまでも、穏やかな波の海ははるばる4000km彼方から来たゲストを迎え入れてくれるよう、「良く来たな!」と語りかけてくれるようです。向こうに見える陸地はもう別の島、飛行場のあるバナイ島と言います。
バナイ島の反対側には大きな都市、イロイロがあり、その東隣り2番目の島がセブ島です。だからバスでそんな島々をひた走り、狭い島と島の間を船で渡り、またバスで様々な街を歩く、それがアイランド・ホッピング。引退しないとそんな旅は出来ないでしょう。砂浜は結構な賑わい、中国人が多い?
結局7-800m歩いて裏のメインストリートに出ました。メインストリートと言ってもこんな広さ、これではドライバーが言っていたようにすぐに渋滞でしょう。狭くても小型トラックやバイタク、オートバイの行き来は激しく、エンジンの音もかなり騒々しい、こちらを歩きましたが狭くて歩き難い!
こんなビーチとメインストリートを結ぶ小路がいくつかありますが、幅の広いホテルがあれば私有地で、ゲスト以外は通れません。結構この間を行き来する小路を探すのに苦労します。おいそれビーチへのアクセスはそう気軽には行かないようです。繁華街に行くためにトライシクルを拾いました。
唯一知っている繁華街の地名がD-Mall、モール状の商店街の集まりのようです。How much for D-Mall? と運転手に尋ねるとTen pesosとのこと。どれ位の距離があるか未だ判りませんが、25円くらいで歩かなくて済むようです。道が狭く、もし人の乗降するバイタクが停まっていればこちらもStop。
土産物屋、レストラン、カフェ、いわゆるShopは何でもありそう、店の数も相当なもののようです。正にリゾート地の賑わい。道路側には大きなマーケットまであり、生活必需品も全て手に入りそうです。少しビーチ方面に歩いて行くことにしました。ここではもうビーチまでの距離はかなり長い。
ファーストフードのお店もたくさん、観光客は中国人、韓国人、西欧人の順に多いようです。日本人はあまりいなさそう。ここでもお店の間で熾烈な争いが。流行っている店は多くの客を囲い込み繁盛している様子、その一方で閑古鳥が泣いて、店員も手持ち無沙汰なんてところもあります。
この辺には生活雑貨を扱うような店も。昔懐かしい砂浜で遊ぶようなおもちゃから、生活必需品を扱う店まで多岐にわたります。しかし得てして価格はそこそこ高い? 通常のフィリピンの田舎の値段ではなく、食べ物などもあまり日本と変わらないような感じでした。プエルトガレラも安くはなかった。
この辺に住んでいるのでしょうか? 飼い猫か野良猫か判断出来ませんでしたが、決して肥え太ってはいない、スマートな猫に話しかけました。どうだい? この街は? 外国人が多くて栄えてはいるようだけれど、すいぶん物価が高いじゃないか? これでは住み難い日本とあまり変わらないね? って。
だいぶ歩き廻って汗もかきました。冷房の効いている処に入りたい、そんな涼しそうな店を探していると、結構繁盛しているアイスクリームのカフェを発見。もっぱら若い女性が多く、20人も入れば満席の店、たまたま席が空いていたので、場にそぐわない中年男が座ってアイスを食べます。なかなかの味。
D-Mallのメイン・ストリートを隔てて向かい側に何故か池と云うか沼と云うか、そんな処がありました。さっき送迎で向かい側を走っていました。周囲にはむしろ外国人ではない、現地の人を相手にするような店が立ち並んでいました。ちょっと興味を持ってそんなエリアを歩いてみることにしました。
この水は真水なのだろうか?海水なのだろうか?興味を惹かれましたが、検証するすべはありません。その後方にはあまり綺麗ではない、現地の人が集まるようなお店が多く軒を並べます。こちらに来れば物価は安いのではないか? やはりこの島はDouble standardで棲み分けがなされているよう。
野菜、果物、米や肉など、食料品や生活必需品がフィリピン価格で売っていました。そしてこの周辺にはあまり外国人はおらず、せいぜいモノ好きな僕のようなツーリストが1−2割、ほとんどが現地に住んでいるのだろうと思われるフィリピン人でした。もちろんD-Mallで働く人の家族もいるでしょう。
フィリピンの田舎に来ると肉もこのような売り方、冷蔵庫などはなく、恐らくその日のうちに売り切るのだろうけれど、室温で置いてあります。ダバオで初めて見た時にギョッとしましたが、もう見慣れたもの。そして店員が持っているのは蝿を追い払うためのハタキなのです。このレバ刺しなら下痢か?
ひと通り、D-Mall周辺を小一時間ほど見て歩きました。大体この周囲のMapは頭に入りました、歩き続けでちょっと疲れました。一度ホテルに戻って一休みすることにしました。バイタクは2−3人乗りでホテル〜D−mall間50ペソ、トライシクルは6−7人乗りで同じ距離を10ペソ、でもバイタクが殆ど。
そんな料金体系が判りました。四輪のタクシーはいない、それとバイクの後ろにまたがって乗せてもらうバイクタクシーもいるようです。取り敢えずノーヘルでOK? しかし、ホテルとこのD-Mall間以外は用事はなさそう、じゃぁD-Mall近辺にホテルを取ればよかったのか? でも僕のホテル周辺は静か。
ホテルで2時間弱、眠ってきました。そう、寝るも歩くも食べるも全て自分の自由、誰にお伺いを立てる必要もなく、自由に行動出来ます。ただこの街が夜は早いのか、遅くまで店は開いているのか、未だ判りません。取り敢えず9時前にもう一度この繁華街に餌を求めて舞い戻ってきました。
やはりこの島の来訪者はカップルか家族連れが多く、物好きな中年男が一人で入る餌場を探すのは苦労します。ようやく一人でも違和感のないカフェ・レストランを見つけ入りました。昼のチーズバーガー以来アイスしか食べていない、さすがに空腹になってきました。まずはシーザース・サラダ。
そして今夜のメイン・ディッシュはテンダーロイン・ステーキ。サーロインではないところが年取った証拠か? 味はまぁまぁでした。そういえばプエルトガレラでも肉三昧だった、身体の調子が良いと身体がそんなものを要求する? これにサンミゲル・ライトで今日のディナーは終わりです。
この店でした。結局この島の夜は決して早くない、なかなか生活習慣はその地に溶け込んで形成されるようです。そう、フィレンツェは夜遅くまで店はやっていたが、ボローニャでは夜が早かった。得てしてフィリピンは遅くまでやっていることが多く、またこの島は治安は割りと良いと聞いています。
時々雨が降ってきて、処々にこんな水溜りが出来ています。商魂逞しい呼び込みは歩く外国人を自分の店に引き入れようと必死、この夜の店でも繁盛店とそうではない店とが綺麗に別れるようです。正に欧米化したリゾートのレストラン街、イタリアン、ステーキ、中華、コリアン、寿司、何でもありです。
ボラカイ島に着いて8時間、未だこの島を把握しきれてはいませんが、概ねの流れは掴んだよう。今夜は移動で疲れたし、夜更かしせずに早めに寝ることにします。天気が良くなってくれれば青い海が見られるはず、取り敢えず明日、明後日の行動予定は朧気に立ててはありますが、どうなることやら?
結構疲れました。ここまで来ましたがかなり大変でした。しかし推薦されて選んだホテルのホスピタリティ、アメニティは予想以上に素晴らしいものでした。これなら快適な旅になりそう。今日はあまり天気に恵まれませんでしたが、もし天気が良くなれば青い海がもっと青く見えるはず、所詮小さな島、せっかくここまで来たのだから全てを観て帰りたいと思っています。食べ物のもなかなか美味しそう、明日に期待します。