第1日目、 5月のゴールデン・ウィーク、医師会に所属する会員は輪番で市民医療センターの当直が廻ってきます。市民医療センターは1年365日夕方7時半から夜の10時半まで、そして休日は午前9時から午後4時半まで、センターに詰めて救急患者さんに対応します。もちろんゴールデン・ウィークも欠かす事なく診療します。そして2年か3年に1回、ゴールデン・ウィークもお正月も順番は廻ってきます。昨年僕はゴールデン・ウィークに当たりました。しかし、急遽知り合いのドクターから別の日の都合が悪く、僕のゴールデン・ウィークの当直と交代してくれとの申し出がありました。お互い都合の悪い時は個人で個別交渉し、医師会に交代を報告するルールになっています。昨年はそんなことでラッキーにもゴールデン・ウィークの当直が当たっているにも関わらずそれを免れ、セブ島でジンベイザメと泳ぐ事が出来た訳です。だから今年のゴールデン・ウィークは僕は当たらないはず。当直を決める医師会の担当理事に「今年、僕は当たらないよね？」の確認をして早い時期に計画を立てました。2月にマニラに出向いた際に、現地のツーリストにて宿泊のホテル、マニラから移動するフィリピン国内線のエアーチケットの手配も全て済んでいました。かなり心配した前述の朝鮮半島情勢も取り敢えず大丈夫そう、フィリピンに来てしまえば取り敢えず戦争が起きてから何とでもするよ！　そんな覚悟で出掛けました。さて珍しく午前中の成田発の便を取って、成田行きリムジンバスのターミナル駅からこの長い旅日記が始まります。

今回は朝の出発が早いため愛犬の見送りはなし、午前四時半に家を出ましたが、我が愛犬は女房と一緒に熟睡中、女房も起こす事なく消え入るように家を出て来ました。女房にはJアラートが鳴ったらガラスのないレントゲン室に逃げ込むよう云っておきました。あいにくうちには地下はありません。

羽田行きのバスの後に成田行きのバスが来ます。今日はゴールデンウィークの初日、僕も含めて上手く休みを取ると8泊9日の休暇が確保出来ます。さすが大型連休初日、バスもこんな早朝にも関わらず結構な混み具合です。そう、当日券では乗れない可能性もある？　もう既に予約をしておきました。

昨夜は寝過ごさないように貫徹、バスを持っている間少しフラフラしていました。バスに乗ってからの記憶はあまりない……、ハッと眼が醒めればもう成田空港まで20分と云うところでした。早速JALのカウンターでチェックイン、何とビジネス席ですらオープン前から並んでいました（＞＜）

搭乗手続き後、毎度の傷害保険に加入して行きます。今まで壊れたトランクの修理と液晶画面の割れたMacBookの修理でお世話になりました。病気でお世話になったことは未だありませんが、ややもすればうっかり怪我をする事もあるかも知れない、日本に比べ海外の医療費は凄く高いです。

何と！　出国手続きも長蛇の列、Priority Laneすらもこの列でした。まぁ、大型連休初日、連休を海外で過ごす人もたくさんいることでしょう。最近は要領を得ました。金属探知機後のボディチェックは金属のものを全て手荷物のバッグに入れることで回避出来ます。時間の短縮になります。

今回は免税品店では大物は買いませんでした。特に娘、息子達からリクエストは受けていません。女房だけまたコーヒー豆を買って来てくれって。さらっと免税店を見てJALのラウンジに来ました。また朝っぱらからカレー？　これが本日の朝食、時刻は午前8時頃、さすがに此処は未だ空いていました。

未だ時間的に余裕が。飛行機を眺められるラウンジに移動しました。何とまたボウモアの18年ものがありました。どうせ飛行機の中では寝ちゃうんだ、行っちまえ！　ってことでソーダで割っていただくことにしました。最高の贅沢！　さて搭乗時刻の15分前には搭乗口へ向かいます。

今日の僕の飛行機、いつも自分の乗る機体を見ながら「よろしくね。」と声を掛けます。最近のマニラ行きはB−767が殆ど、一度B-787だったことがありますが、どうやら最近はB-787のトラブルは聞かれなくなったみたい。今回はGW、マイレージでは取れず自腹で払う事になりました。

ほぼ定刻に出発、未だ朝早い時刻なので遅れは出ないようです。今回は土曜日の本日が休日だったために朝の便を取りました。恐らく来年のGWは医療センターの当直が当たり、こんな長い旅行に出る事は出来ないでしょう。ハッチが閉まり滑走路へ向かいます。離陸渋滞もなし、今日はスムーズです。

友達から教わって、数日前に機内食のメニューをネットで調べてありました。今日はヒレ・ステーキ、ラウンジでそこそこ食べてはいたのですが、こんな時もついつい貧乏性が隠せません。機内の映画は洋ものが見たものばかり、邦画で’本能寺ホテル’と’海賊と呼ばれた男’を観ました。

映画を観ながらも半分ウトウト、わずか4時間のフライトはアッと云う間に過ぎて行きます。もう下を見下ろすとルソン島の東側の海岸が見えて来ています。マニラからそんなに時間を掛けずに来られるはず、いつかこちら側に来てみたいと思っています。海岸線の海もなかなか綺麗です。

マニラの街並が見えてきました。もう飛行機もだいぶ高度を下げて来ています。いつもはマニラの夜景を飛行機の中から見るところ、今回は未だお昼過ぎ、明るいうちにマニラの街を観ます。ああ、また来ちゃったな？　今回は前半にマニラ1泊、後半はマニラに2泊の予定です。明日には小さな島へ。

今回は逆噴射のGをかなり強く感じました。着陸の速度が速かった？　駐機場へ着き、ハッチが開くと毎回お馴染みになったマニラ空港独特の匂いを感じます。この匂いを嗅いで、日常から非日常へ逃げ出して来た実感をしみじみと味わいます。入国手続きは夜と違い少し混んでいました。

マニラ空港ではまずやらなきゃならない事があります。両替は少し手持ちがあるので、街なかのもっとレートの良い処で。逆にルーターのチャージは空港の方が手っ取り早いのです。10日分で良いよ、999ペソ？　何だよ？　1ヶ月分と同じじゃないか？　何か体よく騙されたような感じ…。

結構期限前に使えなくなったとか、使っているうちに転送速度がものすごく遅くなったり、色々とトラブルがあるのです。日本からルーターを借りて来るとものすごく高いし。僕は現地で現地用のルーターを購入し、渡比の毎にチャージするのです。今回は田舎に行くし、LINEの写真送るの、一苦労だな？

それと空港を出た後、もう一つ問題があるのです。タクシーが酷い……。走り出してもメーターを倒さない奴、法外な値段を吹っかけて来る奴、わざと遠回りする奴、悪いドライバーがたくさんいます。しかし今日は一番安い白のレギュラータクシーを選択、ちゃんとメーターを倒して走りました。

但し、走り出してから「メーターが倒れていないぜ。」と指差してようやく倒したのです。これを云わないとついてから「あっ!　しまった!!」とか芝居をして、「じゃぁ○○ペソね。」とか吹っかけて来るのです。ドゥテルテ大統領になってから少し厳しくなり、改善しつつあります。結局138ペソ、OK!

ホテルはもう予約してあり、またグレードアップと云うことでスイートにしてくれました。まぁ、この料金でこの部屋なら文句のないところ、常連客として僕の名前は登録されているようです。しかし、時に文句を言いたくなるような部屋に押し込まれる事もあります。今日の部屋は高層階、なかなかです。

そしてこの景色、見慣れたマニラ湾ではありますが、やはり海が見えないと。窓全体が隣のビルの壁に遮られる部屋なんてのは半額にされたってお断りです！　プールに出たくなる程ものすごく良い天気ではない、まぁ両替以外することもないし、至近のデパートにでも行ってみる事にしました。

いつも思うのです。このトウモロコシ、食べたい……、しかし茹でてあるとは云え、マニラの路上での買い物、ちょっと恐ろしくもあります。バンコクでは路上の焼き鳥を平気で食べるくせに。マニラ初訪問の際のユッケ、レバ刺しで起こした下痢、それが大きなトラウマになっています。

夕食も適当に済ませてしまいました。デパートも行ってはみたものの、買い物はまたマニラに戻って来てからにします。しかしこの時期のマニラは暑い！　数日前に44度になったと聞いています。体感では32-3度？　しかし夏の東京程の湿気はないため、まだこちらのほうがまし、と思っています。

今日のホテルはカジノ併設、ちょっと退屈しのぎに2千円分だけ捨てました。儲かる訳がない。東京にカジノ？　ぜ〜ったいに要りません。確かに国や都道府県は多少身入りが良くなるでしょう。でもそれに対する代償はかなり大きいですよ？　もっと倫理観を持った人が国を引っ張らなきゃ！

　マニラに来ました。今日は移動だけ。多分明日も移動だけ　となるでしょうけれど、二日掛けてでも出向きたいパラダイスに行くのです。5月はフィリピンではハイ・シーズン、台風の心配もないし、お天気に恵まれる事を望んでいました。今日は早めの就寝、しかし明日も決して朝早い訳ではなく、ノンビリと都心部でのホテル・ライフを楽しめます。明日以降前半のホテルでは何もしない、そして後半のホテルではあちらこちらに行って冒険をする、そんな計画です。