シンガポール第1日目、 8月の夏休み、また8月15日の週は仕事をして、その翌週をクリニックの夏休みとしました。前述のように東京からシンガポールへはダイレクトには行けない、仮にSQ(シンガポール航空)で東京からシンガポールへ行ったとしてもバンコクに一度着陸、一方でマニラからシンガポールへはSQが毎日飛んでおり、その航空チケットもそれほど高くはない、マニラに1泊してからシンガポールへ飛ぶのが僕にとっては一番得策でした。実は前泊のマニラはすごい土砂降りでした。外へ出るのも憚る程、しかしその後シンガポールでは一切雨には遭遇せず、お天気にはものすごく恵まれたのです。シンガポールで使えるWi-Fiルータをレンタルし、準備は万端、いつもマニラから東京へ帰る時、同じ時刻にSQがマニラ空港を飛び立ちます。マニラからシンガポールへは3時間半、世界一のAirとされるSQに乗るのも楽しみの一つ、そんなことでいつもの愛犬の見送り、スカイライナーに乗る前の楽しみのパスタ、成田でのさくらラウンジでの食事、JALの飛行機の中、前泊のマニラの夜、全てを端折って今回の旅日記はニノイ・アキノ マニラ国際空港の第3ターミナルのカウンターから始まります。
実はマニラ空港の第3ターミナル、僕の一番嫌いなターミナルなのです。フィリピン人によるものすごい混雑、そして日本人と見るや寄って来てExress! とか言って混んでいる列に割り込ませて高いチップを要求する極悪の空港スタッフ、そして居場所のないメチャ混みの待合室、しかもろくなレストランもラウンジもない。ところがその第3ターミナルの国際線は混む事なく、嫌な奴もいませんでした。
それなりの覚悟をして、そこそこのチップ用の紙幣も準備していた手前、あまりのスムーズさに拍子抜けでした。待ち時間ほぼ0、カウンターでの手続きもイミグレーションも非常にスムーズ、あっと言う間に出国を済ませ、免税品店の並ぶ待合室に入り込む事が出来ました。SQはエコノミー席ですら荷物は30kgまでOK、10kgしか許さないPALも見習ったらどうだい? そう、ここは初めて来る処?
そう、このターミナルはもう一つ関門がある! 帰りのレギュラー・タクシーは長蛇の列、そこでぼったくり白タクがホテルリムジンより高い金額を吹っかけて来ます。それもてめぇが持っている車ではなく、紹介するだけで上前を跳ねる? 気が重いです。ちょっと小腹が空きました。ホテルの朝食ビュッフェはしっかり食べて来たのだけれど。安いホットドックを。しかしあまり美味しくない……。
SQ、乗るのは久しぶりです。かつてバンコクに行く時に成田から使った事があります。さすが世界一のAirと感心しました。機内食、機内でのサービス、バッチリでした。当時ビジネスクラスに乗りましたが、ファーストクラスもあったようです。それから成田〜マニラ間でデルタ航空の747に乗った事がありますが、それもなかなかでした。最近のJAL、良いのですけれど、機内食だけ何とかならない?
狭くて座り心地の悪いマニラ空港第3ターミナルの国内線待合室、ボラカイ島やブスアンガ島に行く時にうんざりしていましたが、国内線とは早々に分け隔てる国際線、悪くはなかったです。座るシートもクッション付きだし、決して狭い印象はなく、更に乗客でごった返すような状態ではありませんでした。それにちゃんと定刻の搭乗、文句はありませんでした。これから3時間半のフライトです。
機材は777、今回は無駄遣いする事なくエコノミー席、でもレッグスペースは充分にあり、3時間半のフライトはそれほど苦にはなりません。毎度の離陸渋滞も今日はなく、ほぼ定刻の離陸となりました。これは航空会社のせいではありませんが、飛行機は揺れる事なく、快適な空の旅でした。何故か日本語の「ゴーストインザシェル」を映画でやっていました。昨日JAL機内で観たのにもう1回。
離陸して間もなく機内食が出て来ました。特にオーダーをした訳ではありませんが、チキンの煮込み料理がご飯に乗ったもの、この煮込みのソースは如何にもエスニック風のなかなか行ける味、ご飯は外米ではありますが、ぱらぱらしていてむしろこの料理に合います。そう、こんな機内食で良いから、JALにも美味しい食べ物を出して欲しいです。今日は揺れる事なく快適なフライトです。
今もう高度も下がり、シンガポールの陸地が見えて来ました。少しうつらうつらして、3.5時間のフライトではありましたが、あっという間に着いてしまった印象。さすがに世界一と言われる航空会社、何となく余裕を持って運行している言う感じがしました。一方でJALは国交省や地方自治体からがんじがらめにされているような印象、健全な航空会社が赤字になる訳がない!
無事に、ほぼ定刻にシンガポールのチャンギ国際空港に到着しました。上から見た感じ、やはり巨大なハブ空港の風格を備えます。駐機場の隣にもSQの機体が。今回のフライトではエコノミー席でものんびり出来ました。ビジネス席、ファースト席のシートを見ましたが、僕はエコノミーで充分、敢えてお金を多く出して と言う必要なさそう。綺麗な空港はマニラのような臭いがありません。
さすがでかい! この通路が一体何処まで続いているのか? 先に目をやっても突き当たりが見えません。国土の本当に狭いこんな国がこんな巨大な綺麗な空港に持つにつけ、日本は一体何をやっているんだ? と言う気分になります。出口を出てから両替所がありました。僕はシンガポール・ドルは全く持っていません。空港で両替すると利率が悪いのは常識、だからほんの小額だけ両替をしました。
今日泊まるホテルは日本からクレジット会社を通じて予約したもの、しようしようと思いつつ、結局Re-Confirmはしませんでした。それが何より心配でした。実はそこそこ距離があることを見込んでホテルに送迎を頼んでおいたのです。バスや電車、タクシーで初めての国を移動するのはリスキー、しかしどのように現地スタッフと合流するのかも煮詰めていませんでした。出口であたりを見回すと、
いた! ホテルの名前を書いたプラカードを持つ女性が立っていました。僕の名前を告げると、正に僕だけを待っていた様子、ちょっと歩くけれどついて来るように指示されました。彼女の英語は聞き取りやすい、シンガポール人の話す英語はSingrishと言って、独特の発音で理解しにくいと本にありましたが、彼女の英語は大丈夫でした。かなり歩くよ の言葉から心遣いが。待っていたのはベンツ!
そしてその女性がドライバーでした。ベンツは220E、シンガポールは右ハンドル、左側通行のようです。だいたいホテルまで30分くらいとのことでした。この快適な車で30分ならそれほど辛くはない、彼女との会話も弾みます。車内は柔らかなLEDで照らされ、なかなか良い雰囲気。32年前に来た記憶が殆どないだけに、まるで初めて来る国のような雰囲気、フィレンツェのような堅苦しさはなし。
道路は良く整備され、車はスムーズに走ります。片道3車線から4車線、如何にも東南アジアの先進国たる風格を感じます。まず第一街が綺麗! 走っている車もそれほどは多くなく、しかし制限速度をしっかり守ってマナーの良い運転をします。この車にはナビゲーションもETCも備えているよう、廻りを走っている車も決してオンボロではなく、日本以上に良い環境である事が感じ取れます。
大規模なマンションばかり、それも古い建物はなく、みんな新しい、近代的なデザインの建物である一方、フィリピンのような戸建てのバラックみたいな家は皆無でした。もう夕方6時近く、陽は傾いているものの未だ暗くはありません。聞いてみると日没は7時頃との事、赤道直下だから日は長いのか? そういえば熱帯独特のむさ苦しい暑さは感じませんでした。ヒートアイランドもなさそう。
ドライバーに尋ねました。こんなマンションは高いの? これらのマンションには2種類あって、国が絡んでいるようなマンションはかなり安い、国の絡んでいない私的なマンションはかなり高価だとの答えでした。つまり、見た目変わらないこんな近代的なマンションの中にも公営のものがあるのでしょう。でも僕の移住する対象にシンガポールは入りません。やはり先進国である必要なはい。
シンガポールの街の中心部、高層ビル群が見えて来ました。ここまで空港からノンストップで時速80〜90kmで走って来て20分程、恐らく30kmほどは走って来たのでしょうけれど、空港のある国の端っこから中心部までこれくらいの距離? やはり小さな国である事が判ります。真っすぐそのビル群に向かっている折り、恐らく街の中心部を通り抜けるのを期待していたろころ……、
何と地下トンネルに潜ってしまいました。数えると片道5車線、そんなにあると何処を走ったら良いのか迷ってしまうのではないだろうか? 日本が国土が狭いと言いながら国民に充分なサービスを授与出来ない中、シンガポールでは恐らく最先端の国づくり? その差を見せつけられたような印象。ドライバーの説明では、セントーサ島と中心地を結ぶのは橋ではなくこのトンネルだそうな?
そのトンネルから出てほんの一瞬、右側にマリーナベイ・サンズが見えました。そう、3日後にはあのビルのてっぺんに行く、それが今夏のこの旅行の目的なのだから。あいにくこの角度からはあの特徴的なビルの全体像は窺い知れませんが、まぁ先の楽しみにとっておきましょう。再びトンネルの中に入り、あのビルが見えたのはほんの短い時間だけでした。その後間もなくホテルに到着しました。
ホテルに到着すると、カウンターにてチェックインの手続きかと思いきや、いきなりもう部屋に連れて行かれました。トランクは後でスタッフが持って来てくれるって? 部屋で別の女性スタッフがチェックインの手続き、見た目まるで西欧人の若い女性でしたが、その流暢な英語は女性ドライバーの英語よりは聞き取り難い、いろいろ注意事項があったのでしょうか、半分は素通りでした。
部屋は8階ある建物の5階、海側の景色の良いところでした。一方で反対側の海の見えない部屋もあるので優遇はしてくれたのか? ベランダからの眺めはなかなかでした。沖合には貨物船やタンカーが浮き、すぐ至近距離にそんな大きな船がいる手前、恐らくはビーチでは泳げないであろう事は容易に想像出来ます。写真で見たこの海はそこそこ綺麗でしたが、実際にもそんなに汚い海ではない…。
部屋はそれほど広くはないけれどこぎれいにまとめられ、キングサイズのベッドにテーブル、デスクもあり、取り敢えず3泊を過ごすには申し分のなさそうな部屋、そこそこの宿賃を取られる手前、まぁ満足のいくものでした。このホテルチェーンの最高位のメンバーシップをもらった手前、それなりのメリットがあったのかどうか聞き損ねましたが、まぁ良しとしましょう。
空調は良く効き、そこそこ暑くなるであろう日中も部屋にいて快適に過ごせそう、そこそこの広さのベランダもあり、ここに座って眺める明るい日中の海もまぁ良い景色となるのではないでしょうか? ここから見るプールは下調べの通りかなり広く、またデッキチェアもたくさんあるので、いつもの中国人の団体さんがいても日光浴にあぶれる事はなさそうです。しかし殆ど外出になる?
下のフロアは更にベランダの広い、むしろバルコニールームと呼べるような構造になっていますが、こちらの部屋とどちらが高いのか? 気になるところです。ホテル内を歩く中でもそこそこの数のゲストの宿泊がありそう、ここセントーサ島にはいくつかのリゾートホテルがありましたが、設備、ロケーションを見てもこのホテル以外の選択は考え難いところでした。ところが……、
何と! この部屋にはバスタブがない! 何とシャワールームだけでした。この値段でバスタブがない!? にわかに信じがたい話しでしたが、今更部屋を換えろというのも面倒、荷物もある程度ばらけてしまったし、取り敢えずはこの部屋で納得して、後で「あの値段でバスタブなしかよ?」とツアーデスクに文句を言う事にしました。次に泊まるホテルにはバスタブ付きと指定していますが。
何となくムッとしながらホテルを散策する事にしました。ホテルのロビー階にはショップが。ホテルグッズやスナック、ドリンクなどが置いてあります。そうそう、ミニバーは恐らく高いから部屋で飲むソフトドリンクを、と思ったら高っけ〜! 普通の缶コーラが300円近くします。辞めにしました。そう、そしてこの後、この国は物価がものすごく高い事を段々思い知る事になるのです。
未だプールは閉まっておらず、泳いでいる人もいます。まぁ、リゾートとは言っても目の前のビーチで泳ぐ事は出来ず、日光浴だけならビーチの前にたくさんのデッキチェアは並んでいます。このホテルの周囲にはいろいろと遊ぶ施設はあるにしても、バスやタクシーで出て行かなければならない? 廻りに気軽に行けるレストラン等はありません。やはりこのホテルでは過ごすのはプールしかなさそう。
でもこの時刻、プールバーはスタッフはいますが、もうオーダー出来るような雰囲気ではありません。もう片付けているよう。ホテルの中にゆっくり飲める処があるのかどうかは未だ調べていません。どうしても飲みたい訳ではないけれど、エルニド・ミニロックやディマキヤ島のようにバーテンさんと会話を楽しめるような処はないようです。バスタブもないし、結局ホテルは寝るだけの環境なのか?
確かに大きなホテルです。ゲストも結構入っていそう。だけど未だシンガポール・セントーサ島のMapが頭に入っておらず、今後どのような行動をするか? 漠然と計画は立てているのですが、自分の思い通りに動けるかどうかはまだ判りません。取り敢えずセントーサ島ではユニバーサル・スタジオとマーライオンに行くくらいか? ホテルライフを楽しむにしても暑い日中はプールのみ?
遅い夕食にしました。本当はホテルの中で食べると高いだろうから、ちょっと歩いてホテルの外の気軽なローカル・フードが食べられるような処に行く事を想像していたのです。しかしホテルの外にはそんな店は全くない、わざわざタクシーを捕まえてまで出て行く気にはならない、結局ホテルのレストランへ。一先ず炒飯が食べたかった、シンガポールの米は炒飯に合っていそうです。
サラダは頼みました。シーザースサラダ、それこそフィリピンのリゾートのようにサラダがないなんてことはありませんでした。でもこの国は自給率10%くらい? 食品の殆どが輸入品だと聞いています。もっとも田んぼや畑が出来るような国土の広さはありません。だからこそ身軽に先進国になれるのか? この国の人はみんな裕福だと聞いています。むしろ旅行者である外国人の方が金を持っていない?
やっぱりガッツリ食べたくてステーキを頼みました。味はまぁまぁでしたが、こんなステーキで5千円を超えてしまうような勢い、明日は外で食べて来るようにしましょう。取り敢えず今日は移動だけと割り切りました。今回の旅行のメインイベントは何と言っても’天空のプール’ 未だ初日だし、そのメインイベントは旅行の後半に控えています。今夜はこのまま部屋で大人しく寝る事にしました。
シンガポールに来ました。32年ぶり、しかも以前はTransitであり、シンガポールを堪能する旅ではなかった為、実際には初めて来たようなもの、実際にほとんど景色を覚えていません。確かにマーライオンの前で女房と写真を撮った、女房が首に蛇を巻いて写真を撮った、そんなことは覚えています。今日は移動だけ、明日はこのセントーサ島を散策します。そしてプールにも。