息苦しい日本
皆さんは今の社会が息苦しいと感じていませんか? 勿論ニューヨークで起きた不幸な事件も我々の心の中に暗い影を落としているのでしょうけれど、それにしてもあまりにもひどい、そしてあまりにも永いこの不況の中で、段々息が詰まっていくと感じているのは私だけではないはずです。十数年前、日本はバブルに踊り、幸福に酔いしれていました。その後日本の繁栄に陰りが見え始めた頃、アメリカではまた空前のIT革命が起き、アメリカもバブルに酔いしれました。しかし、インターネットを初めとするこの革命もやがて終焉が見え始め、本来その時点では立ち直っているはずの日本経済が滞ったまま、世界恐慌の一歩手前まで来ています。未だ開発途上のアジアには夢があり、日本はアジアにありながら蚊帳の外に追いやられ、そしてかつての繁栄をよそに諸外国は日本を見限り、これから発展するであろう中国に熱い視線を送っています。日本は年をとりました。そして世界の目はもっと若くてピチピチしている中国に目を奪われるようになってきました。
飛ぶ鳥を落とす勢いで成長してきた衣料メーカーのユニクロ、この会社でさえ予測収益を下方修正してきました。生産から販売まで一括してコスト削減をして大成功を納めたこの会社ですら苦しくなる現状を見て、本当に切ない思いになります。どうやらユニクロの社長さんはこれから野菜などの食料品の分野に殴り込みをかける様子、お手並み拝見とともに、徹底した管理でまた業績を伸ばすことを期待して眺めています。
しかし一方で南米のある国は経済が破綻しました。会社で云えば倒産です。一方的に借金は返しませんと宣言して、世界各国がこの国をビジネス・パートナーとして認めなくなっていくのは自明の理です。資源を持たない日本が世界から相手にされなくなったらどうなるのでしょうか? その国以上に周囲に深刻な打撃を与えるのは火を見るより明らかです。ホントに世界恐慌の引き金を日本が引いてしまいますよ。
日本では何とか名目をつけて税金をふんだくることしか考えていない様子、”国民にも痛みを”なんて偉そうに云いながら汚職や脱税などがドンドン出てくるていたらく。1月中旬現在で何故小泉政権が79%もの支持率を維持しているのか? 私はホントに疑問です。”一般大衆よ、もっとよく見なさい! 勉強しなさい!”と云う気持ちでいっぱいです。政治屋(敢えて政治家とは云いません)の元秘書が口利きで公正なはずの落札をねじ曲げ、個人で莫大な報酬を受け取る、しかもその汚い所業に注ぎ込まれるのは我々の血税です。開発途上国ならクーデターものだと思っています。散々醜態を曝した外務省が月に3億円以上の家賃を払って、また新たに庁舎を改築する? これだって全部税金です。今の日本の図は一般人が一生懸命払っている税金を官僚が喰い潰している、正に日本は社会主義国と化してきました。これで痛みを我慢しろと云われて何故みんなは反論しないのでしょうか? ようやくマスコミが小泉政権の化けの皮(むしろ無能ぶり)を暴露しつつありますが、まだまだ。一刻の首長が会社が倒産すること(この中で苦しんでいる人達が当然いるわけです)をして、何故改革が進んでいる証拠だと云いきるのでしょうか? それで銀行には資本注入? 国は独断で死んで良い人間と、助けてやる人間とを差別しています。企業を潰せて何故特殊法人を潰せない? 矛盾だらけではないですか? 息苦しい日本で楽に呼吸が出来るようになるのは何時のことでしょうか? 私の周囲の人の中には、海外で人生の残りを過ごそうと計画している人が結構います。或いは賢明な選択かも知れませんね。