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どくはら?

 どうやらものの本によるとドクター・ハラスメント(ドクハラ)と云う言葉が出来たそうです。この言葉を作りだしたのもドクターだとか? 医師が患者に対して放つ暴言を指すらしいのですが。
 この記事の中の一例を示すと、もう手の施しようのない患者に対してその旨話したところ、それが非難されています。世の趨勢に乗っ取って、私が勤務医だった時代には家族には話しても本人には話さなかったことを包み隠さず話すようになってきました。私自身自分の肉親の不治の病に対して大学病院側がそこまで話すのかと隔世の感を持ったのはごくごく最近のことです。私は未だ手の施しようのない患者さんに対してありのままを話すことに対しては消極的です。確かに余命を如何に有意義に過ごすか全てを知って考える、これも一つの選択肢ではありましょう。しかしそれは受ける側のその人その人の性格、社会的地位などによって大きく違ってきてしかるべきだと思います。この記事を読んで”じゃあどうすれば良いの? 万人が満足するやり方は何なの?”と尋ねたくなります。
 私自身自分の外来では病気は患者さん自身が治すもの、私はその手伝いに全力を尽くす、そのようなスタンスでやってきましたし、これからもやっていきます。しかし中には患者さんが何とか仕事に戻れるように私なりに一生懸命やっていたところ、「先生は俺が仕事に就けないと云う書類だけ書いてくれりゃ良いんだよ。」と云われたことがあります。仕事に就くのがイヤで生活保護を受けたままで過ごしたいと云い切る患者です。この患者を私には手に負えないと宣言することが”ドクハラ”となるのでしょうか? Online相談室にも必ずすぐに医師を受診するように話しても、いろいろ理由をつけて病院は受診したくない、出来ないとReplyが来ます。私だってかつて手術を受けなければならないような状況になったときには患者さんにお詫びをして診療所を臨時休診にして大学病院を受診したことがあります。アメリカナイズされてきた日本人は全てを他人のせいにするようになってきました。風邪薬が効かないと文句を云う前に”風邪引いている時くらいタバコを止めたらどうですか?” と云いたくなります。これも”ドクハラ”なのでしょうか?
 医師も結構酷い目を見ているのに、医師を擁護するようなマスコミ報道がなされないのは何故でしょうか? よほど恨まれている? 人数が少なく反論する人間がいないから? 医者を叩けば雑誌が売れるから? 正にもう陰湿な虐めの世界と同じではないでしょうか? 逆に我々医師がこんな患者がいた、患者にこんなことをされたと騒いだらマスコミは取り上げてくれるのでしょうか? 最近弁護士会を訴えようとする動きに対して20人もの弁護士がその原告側の弁護に立つことを断りました。大した非難は受けていないようですが、我々医師が医療訴訟において患者側の証人にならないとなると猛攻撃を受けます。医師は反論しないから責めやすい? そんな気がしてなりません。マスコミで吊し上げを喰らうようなことをしでかす医師は極々僅かだと思います。警察の不祥事よりは確率が低いのではないでしょうか? こうして矛先が医師に向き、やがて面倒なことには巻き込まれたくないと萎縮診療になり、その結果不利益を被るのは患者さんの方ではないでしょうか? カルテ開示結構、レセプトのコピーをよこせと云われれば私はその場でお渡ししても良いと思っています。未だ請求はありませんが。レセプトを持っていっても患者さんの得るものは決して大したものではありません。今不正請求をすることがどれだけリスクの高いことか、私自身そんなことをすれば家族全員で路頭に迷うことになります。ごく一部の不祥事をまるで医師全員がやっているような印象を与える報道が多すぎます。私は高校時代にバイクに乗っていましたが、バイクに乗る若い奴はみんな暴走族だと白い目で見られたイヤな時代がありました。だからこそ私はこのホームページでも”信頼できる主治医を持ってください”と云っている訳です。信頼がなかったら医療は到底成り立つものではないのですから。