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子供からの質問

 私の子供も上から中2、小6、小4とだいぶ大きくなってきました。子供がもの心付くと世の中に対していろいろな疑問が湧いてきます。そしてその回答を一番身近な親に求めるようになります。「○○ってなあに?」子供のこのような質問に親が面倒臭くていい加減な対応をすると、子供の探求心が伸びず、あとあと悪影響を残すと云うことをかねてから聞いていました。だからこそ私は我が子の質問に対して、例え同じ質問をくり返したとしても一生懸命答えてきたつもりです。また逆に彼等の質問を分析することによって、彼等が世の中を生きていく上でどの程度の力を付けてきたのかをかいま見ることが出来ます。時には難しい質問で、私も少し調べないと分からないようなこともままありました。でもやはり大人になってからと答えざるを得ないものもあることは事実です。

 「赤ちゃんはお母さんのどこから出てくるの?」小さい子にこれを聞かれると結構困りますね。私自身はそこそこの年齢になるまで、母親の腹を食い破って出てくるものだと思っていました(それにしては母の腹部に傷がないのが不思議でしたが)。それに母親に似ているのは理解できても、何故父親に似るのかが疑問でした。一緒に暮らしていると似てくるのかなぁ? なんて思っていた時期もありました。
 長男がまだだいぶ小さい頃、ドキッとするような質問をしてきたことがあります。突然「お父さんも嘘をつくことがあるの?」これには参りましたが、やはりある程度返事を濁しながらも本当のことを云ったつもりです。「うん、お父さんも嘘をつくことはあるんだよ。人間てさぁ、どうしても嘘をつかなければならない時ってのが必ずあるんだよ。お前が大きくなったら分かってくるからさ。」「お父さんは今までどんな嘘をついたことがあるの?」と続いて聞かれることを恐れましたが、その質問は来ませんでした。もし聞かれたら癌患者さんに嘘の病名を告げると云うようなことで逃げようと思っていたのですが。よく新婚のカップルに人生の先輩としてアドバイスをすることがあります。「隠し事をしない、嘘はつかない。」って約束をするなと。これを先に約束してしまうと、その後10年、20年と云う永い結婚生活の中で必ず無理が生じてきます。私自身、女房と結婚する前は、云いたくないことは無理矢理云わせない、詮索しないと云う確約をしています。そう云っておいた方が絶対気が楽です。

 子供からの性的な質問にも結構困ることがありますね。今やテレビや本であからさまにSexについての情報が溢れ、子供達の目に触れることも決して珍しくありません。小さい男の子は包茎です。お風呂で包皮を剥いて綺麗に洗わないと、陰茎亀頭包皮炎と云う感染症を起こすことがあります。当院でも月に2~3人の患者さんが来ます。かつては息子達と一緒に風呂に入りましたが、その時はオチンチンを完全に剥いて、イヤがるのを押さえつけて手でゴシゴシ洗ってやりました。「父さんのやるようにお母さんと風呂に入ったときも自分でちゃんとこうするんだぞ! 今お前達に説明はしないけれど、お前達が大きくなったら絶対父さんに感謝するようになるから。」私は外来に来る小さい男の子にも、お母さんに聞かせながらこのように指導しています。このようにやっていれば陰茎亀頭包皮炎にはなりません。(ただし包皮は必ず元に戻してください。剥きっぱなしにするとむくんで嵌頓包茎になってしまいます)つい先日、小6の次男が私に聞いてきました。「おかまとゲイとニューハーフとどう違うの?」まあどこからか言葉だけは聞いてきたのでしょう。ちょっと私も一瞬たじろぎましたが、これだけ情報が氾濫している世の中、私は次男にありのままを説明し、どうやら彼は納得しているようでした。別に男と男が友情以上の感情を持つこと自体今や珍しいことではなく、そのような人達も市民権を得てきたのも事実です。でも本来は男と女が愛し合って子孫が繁栄するもの、もしこの世で同性愛だけが残るとしたら、血統は絶えることになります。やっぱり自然の摂理からは逸脱すると云わざるを得なくなってしまいますね。なかなか難しいです。それでは結婚しない人達は? 結婚せずに、更に子供を作ることもなければ、やはりこれもみんながそうなれば困ります。次男にはその年になったらおかまバーやニューハーフのショーパブに連れて行く約束をしました。私はそっちの方の趣味はないのですが、時々行きます。と云うのは、彼等(彼女達?)の人を引き込む機関銃のような話術にはお金を払う価値が充分あると思っているからです。よくもまあ次から次へと言葉が出てくるものだと感心しています。いつも思います。あいつら捕まえてテストしたらきっとIQはかなり高いだろうなあと。次男に云いました。「女の人より綺麗な男ってのがいるんだよ。」

 確かに私の小学校時代を振り返ってみると、成績の良い奴って先生への質問が多かったように記憶しています。ただ質問するからには、それなりの基礎的なものを備えていないと出来ないものです。多くの人がそれを備えていないために質問が出来ないと云うのが現状ではないでしょうか?だから私自身、看護学校の講義でも質問を大いに歓迎しています。試験の成績をつけてみると、やはりよく質問してきた学生は良い成績を取っているものです。

 もしこのコラムを読んでいる方の中で、未だ小さいお子さんがいらっしゃる方に是非お願いしたいと思います。質問することをとがめられると子供はいずれ質問をしなくなります。そしてだんだん知識を吸収することから遠ざかっていってしまいます。彼等に質問の答えを徹底的に理解させる必要は必ずしもないと思います。でも質問することが、なんのためらいもなく気軽に出来る環境ってものすごく大事だと思います。そして世の教師(学校の先生に限らず、人生における先生でも)は、よく質問してくる人間に対しては、理解させてやろうと必然的に努力をするものです。その努力の恩恵にあずかれると云うことは幸せなことだと思います。もちろん、子供が大きくなってくれば「そんなくだらねえ質問するんじゃねえ!」と云われてしまう場合もあるでしょう。でも小さいうちは是非親身になって答えてあげてください。親子の会話が減り、親子の断絶なんてことが話題になるこの頃、質問とそれへの回答によって親子の断絶が避けられるのであれば、それは二重に子供の成長に寄与することではないでしょうか? 知識に飢える人間は伸びます。しかし知識に飢える感覚と云うのは、私の経験からもそこそこの年齢にならないと備わらないものです。子供が小さいうちは、質問することが楽しいと思わせるべきだと思います。そんな思いが続くと早い時期から知識に飢える感覚が芽生えてきます。芽生えてしまえば後は放っておいてもどんどん彼等は成長していきます。どうか、親の身勝手な考えでそのような芽を摘み取らないようにして欲しいと思います。たくさんの子を、たくさんの学生を見るにつけ、摘み取られてしまった人が多いような気がしてなりません。