海と音楽が好き、車とバイクが好き、夜景と絵が好き、そして何よりも遊ぶことが大好き。でも家族(愛犬を含む)と部下を大切にし、仕事もしっかりやる、そんな男のホームページです。ご覧あれ!

HOME > Column > 031_Shidoney Olimpic

シドニーオリンピック雑感

 シドニーオリンピックが終わりました。日本は金メダルを2個しか取れないなんて悲観論がありましたが、どうしてどうして、見事な健闘ぶりではありませんか? それぞれの選手にドラマがあり、嬉しい涙、悲しい涙がありました。平和の祭典、国際情勢も何故このように仲良く出来ないのでしょうか? それぞれの選手、競技について雑感を書いてみました。

 まず柔道女子48キロ級、田村亮子選手。何故かあなたは金メダルとって当たり前と云う感じ。柔道は日本の伝統。あなたが金以外に甘んじたら大変なことになりますね。そのプレッシャーに打ち勝ったことだけでも立派だと思います。早々に結果が出ましたが、ご苦労様でした。

 男子柔道100キロ級の井上康生選手は見ていて安心感がありました。圧倒的な強さと云う表現がピッタリですね。この方も金メダルをとって当たり前と云う印象ではありましたが、彼のお母さんのことなど、陰に見え隠れするドラマに胸打たれたものでした。

 男子柔道無差別級の篠原信一選手に関しては私もひとこともふたこともあります。絶対金メダルはあなたです。でも、スポーツ、ましてや武道、「弱いから負けた。」と云わなければならないことが何とも辛いですね。武士道に通じない私だったら、きっと表彰台へ行くのはCancelしちゃうかもしれません。相撲みたいに、ビデオをくり返し検討して、真の勝者を見定めるくらいの甲斐性があってもいいんじゃないですかね! 私の長男は中学で柔道をやっていますが、今年の日本柔道勢の活躍から、きっと来年は新入部員が多いよと話しています。

 サッカーは本当に残念でした。でも私は思います。PKを外した唯一の選手が彼でよかったと。もし他の若手であったら、どんなに自分を責めたことか? 恐らくは日本でナンバーワンである彼が外したからこそ、我々もしょうがないと云う気持ちになれるのではないでしょうか? 120分も頑張ってあとはPK戦と云うのは辛いですね。サドンデスの延長戦の方がよほどスッキリするのにと思うのは私だけでしょうか?

 水泳では女子の個人メドレーが印象に残りました。「メッチャ悔しい!」、「金がいいですう!」、彼女が残した言葉は流行語大賞候補の声も。いいじゃあないですか、銀メダル、立派ですよ。水泳も極限状態で100分の数秒を争う競技、50mも泳げば息が追いつかなくなる私としては、練習がどんなに辛いかよく分かります。水泳こそ、自分の体のコンディションをピークに持っていくタイミングがなんとも難しいのではないでしょうか?

 体操では親子二代のメダルを期待された塚原選手が不調でした。悔しいですね。この大舞台を目標にずっと頑張ってきたのに。充分実力があるのに、それを出し切れなかった悔しさと云うのは我々の想像を絶すると思います。ましてやオリンピック競技、4年に一度しかないのに、競技をやる年齢にも限界があるでしょう。1年後ならともかく、4年後ではあまりにも道のりが長すぎて、そのモチベーションを維持するだけでも気が遠くなりそうです。

 女子マラソンの高橋尚子さん、良かったですねえ。金をとってくるとは。でも私いつも思うんですけど、マラソンて孤独で辛くはないですか? よく自分との戦いと云いますが、正にそうですね。新聞に出てましたが、この人の昔の恩師が、自分がオリンピック選手を育てるのが夢だった、自分の夢は叶えられたから、今度は彼女が自分の夢を叶える番だって云っていたとのことです。自分がオリンピック選手を育てる上に大きなおまけまでついちゃいましたね。ゴールドメダリストを育てたことになってしまいました。多分学生時代はダントツに早かったんでしょうね。そんな人生羨ましいです。でも骨粗鬆症にならないように気を付けてくださいね。私思うんですけれど、この人美人ですよねえ。天は二物を与えちゃいましたねえ。でも一つはご自身の努力で手に入れたものものですから、許して差し上げましょう。ところでちょっと疑問に思うこと、高橋選手が1位でゴールしたのに、誰も抱きしめてあげたり、タオルをかけてあげなかったのは何故? そのままあちこちフラフラと、可哀想でしたよ! 監督がまず迎えてあげなきゃ、どこにいたの?
 
 ラドウカン選手の金メダル剥奪ですが、この件は未だはっきり実のところが見えては来ていないのですが。単純に考えれば医者のミスなんでしょうか? 16歳の可愛い、あどけない少女が血の滲むような努力をしてきて、単純な医者のミスによってこれが水泡に帰したと云うことであれば、それはあまりにも残酷な事ではないでしょうか?

 シンクロナイズド・スイミングのデュエット、日本は頑張りました。銀メダルでしたね。二人の息のピッタリ合った動きにビックリしました。でも金メダルのロシアは正に精密機械そのもの。体操でもロシアやルーマニア等、なんかあまりにも正確すぎて血が通ってないみたい、ここまで来るとちょっと人間味がなく、触ると冷たいんじゃないかななんて思っちゃいます。ロシアの演技では日本を除いて全てのジャッジが6.0満点。私が記憶しているのは、初めてこの採点競技に満点を見たのは札幌オリンピックのフィギュアスケートの銅メダリスト、ジャネット・リン選手だったと思います。当時は5.9が満点で6.0はあり得なかった時代です。この時は転倒しながらも人々に感動を与え、芸術点で6.0満点をとったジャネット・リン選手もすごいと思いましたが、タブーを破って6.0満点をつけた審査員の方こそすごいと思っていました。もしまかり間違えば、6.0満点をつけたことを責められる可能性もあった時代にです。悪い云い方かも知れませんが、今や満点の安売りになってしまったような感が否めないのは私だけでしょうか?
 
 世界で最高のレベルを要求されるこの祭典、スランプもあるでしょうに、自身のコンディションをこの決められた時期にピークに持っていかなければならないのは大変なことだと思います。それも僅か数秒、数センチをリードするために。アメリカなんかでは、栄誉を手中にした人は一生それを飯の種に出来るそうです。かつての水泳の王者、マーク・スピッツ選手は、自分のスイミングスクールを持って、今やものすごくリッチだと聞いたことがあります。日本ではなかなかそうは行きませんね。汚い仕事をしている奴らの方が稼いでいるといるのがなんともイヤになります。また4年後に向けて再スタートを切る人も大勢いらっしゃるようです。スポーツは素晴らしいものだと思いますが、第一線に出る人は辛そうですね。これだけの苦しみを乗り超えていくからこそ、勝っても負けても涙が出るのでしょう。20世紀最後のオリンピック、日本は金が2つしか取れないと云う悲観的な予想を覆し、予想以上の日本選手団の健闘に心から拍手を送りたいと思います。そして21世紀も是非! 頑張ってくださいね。